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脳死と植物状態の違いは?脳死と臓器提供について知りましょう。




脳死状態での出産

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カナダのブリティッシュコロンビア州で、
2013年12月末に妊娠22週目に脳内出血で倒れ、
脳死状態と判定されたカナダの女性が、
2014年2月8日に帝王切開で男児を出産した
というニュースがあります。

医師らは女性が出産するまで
生命維持装置で延命をしてきましたが、
28週目で帝王切開で出産した翌日に、
生命維持装置は外され、女性は死亡したそうです。

生まれた男児は、早産ではあるものの健康状態は良好で
NICUで父親(出産した女性の夫)に抱かれた姿が
父親のブログにアップされていて、
男児の医療費のための寄付金は
1400万円も集まったとのことです。

脳死状態になりながらも、
胎内で息子を成長させて出産したなんて、
生命の神秘さと尊さを感じさせるニュースですね。

脳死と植物状態の違い

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臓器移植法が1997年に制定・施行されてから、
日本でも「脳死」という概念の認識が
急速に広まっていきましたが、
「脳死」「植物状態」の違いが
いまいちわからないという方も多いと思います。

「脳死」も「植物状態」も、
意識がなく寝たきりの状態という共通点はありますが
大きな違いがあります。

それは、脳幹部の状態です。

脳幹とは、中脳、橋、延髄からなる脳の中枢部分で、
呼吸や自律神経などを司っていて、
生命維持のための重要な役割を果たしています。

脳死とはこの脳幹部を含め
脳全体が死んでいる状態のことを指し、
植物状態は脳の一部は死んでいても
脳幹部は働いている状態のことを指します。

つまり、脳死は脳全体が死んでいるため、
回復の可能性はゼロで、
自発呼吸もない状態であるのに対し、
植物状態は脳幹部の機能は残っていて、自発呼吸があり、
回復する可能性がある状態なのです。

臓器提供の意思表示法

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1997年に臓器移植法が施行され、
少しずつ改正が加えられて、
現在では本人の意思表示がなくても家族の承諾があれば、
脳死患者からの臓器提供が可能になっています。

しかし、脳死は
何らかの事故や病気で突発的に襲ってくるもので、
徐々に脳死になるということはまずありません。

そのため、残された家族はパニック状態にあり、
臓器提供の適切な判断が下せず、
迷った状態のまま時間だけが過ぎていく
ということが多くあります。

そんな状態を避けるためにも、
臓器提供の意思表示をあらかじめ行っておきましょう。

もちろん、臓器提供の意思表示は
「臓器提供を希望する」というものだけでなく、
「希望しない」という意思表示をすることもできます。

現在、認められている意思表示方法は主に3つです。

1つ目はインターネットを利用しての意思表示法です。

これは、公益社団法人臓器移植ネットワークの
ホームページから行うことができます。

2つ目が保険証や免許証に記入する方法です。

裏面に臓器提供の意思表示を記入できる
保険証や免許証が増えています。

一度、ご自身の保険証や免許証をチェックしてみてください。

3つ目が意思表示カードやシールへの記載です。

各コンビニや大手スーパーマーケットなどに
意思表示カードやシールが設置されていますので、
そこでカードやシールを入手し、
記載したものを持ち歩くようにしましょう。

臓器提供、臓器移植への考え方は人それぞれですし、
とてもデリケートな問題です。

だからこそ、万が一自分が脳死状態になった時のために、
臓器提供の意思表示をしておくようにしましょう。





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2014年3月1日 | カテゴリー:健康全般 医療制度

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