危険なの?それとも安全?レーシック手術をめぐる意見が真っ二つに
レーシック手術、4割が不具合を訴える
2013年12月、消費者庁が発表した
レーシック手術に関するアンケート調査結果は、
衝撃的なものでした。
4割以上の患者が、
何らかの不具合があったと答えたのです。
それに反論したのが、眼科医らで組織される
『安心LASIKネットワーク』で、
消費者庁の調査結果を「科学的裏付けのないデータ」
として厳しく批判しています。
いったい、どちらの言い分が正しいのでしょうか。
万が一失敗があれば、
一生を台無しにしかねない手術だけに、
データの信憑性が気になるところです。
トラブル報告や相談件数は増加中
このアンケート結果の発表以前にも、
消費者庁が所轄する国民生活センター(以下センター)では、
レーシック手術について国民に注意を呼びかける文書や
事故報告を公表していました。
2013年11月までにセンターに寄せられた
レーシックに関するトラブルの報告は80件、
センターの相談窓口である
PIO-NETへの相談件数は315件にのぼりました。
内容は、過矯正による遠視やそれに伴う
頭痛・吐き気などの体調不良、乱視やドライアイ、
目の痛みなどのケースです。
また、患者がレーシック手術を受けるきっかけの4割は
医療機関がネット上で発信している情報ですが、
その中に法令に抵触するおそれのあるものが
含まれていることも問題視されています。
センターでは、
レーシックを検討する際は内容をよく吟味し、
リスクについて医療機関より十分な説明を受けるよう
求めています。
日帰りで簡単に快適を手に入れられるレーシック
そもそもレーシック手術とは、
どんな目的でどのような治療を行うものなのでしょうか。
一言でいえば、角膜をレーザーで削る手術です。
ものが見えるのは、目に入ってきた光が網膜に
像を結ぶという仕組みによるものですが、
その光の屈折がずれることで、
網膜にぴたりと像が結ばれなくなるのが、
近視や遠視、乱視です。
レーシック手術は、目の水晶体の表面にある角膜を削って、
ずれた光の屈折を矯正し、
視力を回復させようという手術なのです。
痛みもなく短時間で終了し、もちろん日帰りで済む手術で、
老眼の矯正も可能です。
メガネやコンタクトレンズから解放される
快適さを求める広い世代の患者から、
手術を希望する声が増加しています。
手術自体の安全性は確立されているとの意見も
しかし、ドライアイや不正乱視、
緑内障などの術後合併症があること、
角膜を削り過ぎて遠視になる可能性や
そうなった時の問題点などを、
どこまで患者が承知してから手術に踏み切っているのかが
疑問視されています。
前出の『安心LASIKネットワーク』によれば、
レーシック手術の安全性自体については確立されており、
熟練の専門医のもと、
正しく施術されれば問題なく満足度の高い治療が
受けられるということです。
一方、2008~9年に不衛生な医療機関で発生した
集団感染の事例を挙げ、
情報収集と眼科医選びの重要性も訴えています。