女性に多い病気、膀胱炎について知りましょう。腎盂腎炎になり兼ねない病気です
膀胱炎とは?
膀胱炎は急性膀胱炎と慢性膀胱炎に分けられます。
急性膀胱炎は、細菌が原因となって起こる膀胱炎です。
慢性膀胱炎は、急性膀胱炎が慢性化したもののほかに、
細菌の感染が原因ではない
非細菌性慢性膀胱炎(間質性膀胱炎)があります。
ここでは、細菌が原因である急性膀胱炎について
ご説明します。
急性膀胱炎とは、尿道から細菌が侵入し、
膀胱で炎症を起こす病気です。
膀胱炎の原因となる細菌のほとんどが大腸菌です。
大腸内にはたくさんの大腸菌が生息していますが、
排便と共に体外に排出され、
その排出された大腸菌が膀胱に侵入するのです。
膀胱炎になると、排尿痛や下腹部の不快感、頻尿、
残尿感、尿が混濁するなどの症状が出ます。
膀胱炎の場合、発熱はほとんどありません。
上記の症状に加えて、発熱が伴った場合は、
腎臓にまで感染が拡大している
「腎盂腎炎」になっている可能性が高いです。
排尿痛や残尿感など膀胱炎特有の症状あっても、
「膀胱炎なんて恥ずかしい」と思って、
なかなか医療機関を受診しないという人が
いるかもしれません。
でも、膀胱炎を放っておくと腎盂腎炎になり兼ねませんし
膀胱炎は決して珍しい病気でもありません。
また、処方された抗生物質を内服すれば、
すぐに症状が改善しますので、恥ずかしがらずに
早く医療機関を受診するようにしましょう。
膀胱炎が女性に多い理由
膀胱炎は女性に多いってご存知ですか?
急性膀胱炎の場合、男女比は1:9とも言われています。
女性に膀胱炎が多い理由は、
男女の身体の構造の違いによるものです。
男女では、尿道の長さが違います。
男性の場合、尿道は14~18センチあるのに対し、
女性は3~5センチしかありません。
女性は尿道が短いため、
細菌が膀胱に到達しやすいのです。
また、女性は尿道と肛門が近く、さらに膣もあります。
尿道と肛門が近ければ、その分大腸菌が侵入しやすく、
膣からの分泌物のために、
尿道口付近を清潔に保ちにくい環境になっています。
このような理由から、膀胱炎は女性に多いんですね。
膀胱炎の原因はウォシュレット?
ここ10年ほどで
女性の膀胱炎患者が増えているそうです。
昭和大学藤が丘病院の佐々木教授によると、
その原因はウォシュレット(洗浄便座)なのだとか。
なぜ、ウォシュレットの普及で膀胱炎が増えるのでしょう?
普通に考えると、
ウォシュレットで肛門付近をきれいに洗浄していれば、
膀胱炎になりにくいような気がしますよね。
ウォシュレットで膀胱炎になりやすい理由には、
ウォシュレットの洗浄方向にあります。
排便時は前から後ろへ拭くことで、
大腸菌が尿道に移動するのを防ぐことができますが、
ウォシュレットの場合は、
後ろから前へ洗浄するため、
大腸菌が尿道に移動しやすいんです。
でも、ウォシュレットを使ったからといって、
必ず膀胱炎になるわけではありませんし、
多少リスクが上がるのみですので、
日頃から水分を多めに取って、尿量を多くすることで、
膀胱炎を予防していきましょう。