ギニアでエボラ出血熱が流行中。パンデミックが起こる可能性は?
ギニアの伝染病はエボラ出血熱
2014年2月9日に西アフリカのギニアで発生し、
感染の拡大が認められていた「原因不明の謎の病気」は、
サンプルを分析したフランスの研究者によって、
エボラ出血熱であることが確認されました。
ユニセフの発表によると、3月22日時点で、
ギニア国内の感染者数は、少なくとも80人が感染し、
59人が死亡していて、
致死率は約74%と非常に高くなっています。
このギニアでのエボラ出血熱の最初の発生は、
ギニア南部でしたが、
現在はギニアの首都コナクリでも感染が確認されていますし
患者に接触した8人のヘルスワーカーが
感染・発病し死亡していますので、
今後も感染が広がっていくことが懸念されています。
カナダや周辺国にも拡大
1976年にアフリカのスーダンと
ザイールで始めてエボラ出血熱が確認されて以降、
アフリカでは何度かエボラ出血熱が流行していますが、
今回のギニアでのエボラ出血熱の流行は、
今までの流行とは比べ物にならない規模になる
可能性があります。
その理由は、今回のギニアでの流行が
国境を越えて拡大している可能性があるからです。
今までのアフリカでのエボラ出血熱の流行は、
死者が数百人規模の大きな流行でも、
国境を越えて拡大することはありませんでした。
しかし、今回のギニアでの流行は、
周辺国のリベリアやシエラレオネでも
エボラ出血熱の感染疑い例が続発しています。
さらにカナダではリベリアから帰国した男性が
エボラ出血熱によく似た症状の疾患を発病し、
集中治療室で隔離されて治療を受けていますが、
現在重篤な状態であるとのことです。
カナダでも感染が広がったら、欧米諸国や日本、
アジア各国にも一気にエボラ出血熱が
拡大していくかもしれません。
エボラ出血熱とは
エボラ出血熱は、
エボラウイルスが原因で起こる感染症です。
感染経路は、エボラ出血熱を発症した患者の血液や排泄物、
汗などに触れると、皮膚からウイルスが侵入し感染します。
日本にある感染症は、ウイルスを吸い込んだり、
粘膜に触れることで感染するものばかりですので、
皮膚から感染するというのは驚くべき感染経路ですね。
潜伏期間は通常1週間程度(2~21日)で、
発熱や頭痛、筋肉痛、関節痛などの症状が現れ、
その後嘔吐や下痢の消化器症状が出て、
末期には目や鼻、消化器など身体のあらゆる部分から出血し、
死に至ります。
現在は予防するワクチンや有効な治療法はなく、
症状を軽減させるための対症療法が主な治療法で、
致死率はウイルスの株によって異なりますが、
悪性の高いザイール株だと致死率は90%にも上り、
非常に危険な感染症のひとつです。
エボラ出血熱は感染力が強いのですが、
病気の悪性度・致死率も非常に高く、
爆発的に感染が広がる前に患者が死亡するため、
現在のところパンデミックには至っていません。
しかし、ウイルスが変異することもありますし、
状況によってはパンデミックが起こる可能性は
十分にありますので、今後の情報には十分に注意したいですね。