川崎病の原因が判明?原因不明の子供の病気、川崎病について知りましょう。
川崎病の原因が判明?
川崎病という病気をご存知ですか?
0~4歳(特に1歳前後)の子供がかかる
原因不明の病気です。
この川崎病は欧米では稀な病気で、
日本をはじめとするアジア諸国に多いという特徴があります。
また、近年は患者数が急増しています。
1980年代から90年代は年間6000人が罹患していましたが、
2000年代に入ってから患者数が増え始め、
2004年には1万人を超え、
2010年からは3年連続で史上最高の患者数を更新し、
2012年の患者数は1万3917人となっています。
これは、罹患しやすい子供の数が
年々減少傾向にあるにもかかわらず、
患者数が増えていますので、
患者数の数字以上に川崎病が流行していると考えられます。
川崎病は原因不明の病気ですが、
原因究明の手がかりになるかもしれない研究が
発表されました。
日本とアメリカ、
ヨーロッパの合同チームの研究発表によると、
中国北東部から日本へ吹き込んだ風が運ぶ物質が
川崎病に関与している可能性があるとのことです。
1970年から2010年の日本の川崎病調査のデータと
気流の関係を調べたところ、
過去3回の流行では中国北東部からの風が強かったことが
わかりました。
そして、その風が運んできた物質を分析したら、
川崎病との関連が指摘されているカンジダ菌などが
含まれていました。
今回の研究結果で、
川崎病の原因究明が一歩進んだことになります。
川崎病はどんな病気?
川崎病は1967年に川崎博士によって発見された熱性疾患で、
正式名称は皮膚粘膜リンパ節症候群(MCLS)と言います。
川崎病の症状は、原因不明で5日以上続く高熱のほかに、
眼球結膜の充血や四肢末端が赤く腫れたり(硬性浮腫)、
皮膚の発疹、イチゴ状舌、口唇の発赤と腫脹など
皮膚や粘膜の症状が現れます。
後遺症に要注意
川崎病の致死率は0.05%とそれほど高くありませんが、
重い後遺症が残る場合があります。
川崎病は全身の血管に炎症が起こりますが、
それが原因で冠動脈に動脈瘤ができることがあるんです。
冠動脈に動脈瘤ができると、心筋梗塞の原因となり、
命にかかわります。
川崎病になると、10~20%の確率で冠動脈に
動脈瘤ができることがわかっています。
動脈瘤ができてしまった場合、川崎病が完治した後も、
成長と共に心疾患のリスクが高まりますので、
定期的な検査が必要となり、
場合によっては運動制限を設けられることもあります。
また、動脈瘤が大きく、十分な血流が確保されない場合は、
外科的治療を行います。
川崎病の予後を良くするためには、
早期発見・早期治療が重要です。
原因不明の高熱と上記のような
皮膚や粘膜の腫脹や発赤が見られたら、
できるだけ早く小児科を受診するようにしましょう。