世界で毎年3億人以上が感染するマラリア。マラリアを撲滅させる研究が進んでいます。
マラリアとは?
マラリアという感染症をご存知の方は多いと思います。
マラリアは亜熱帯から熱帯の地域に発生している感染症で、
ハマダラカという蚊が媒介して感染を引き起こします。
マラリアには三日熱マラリア、四日熱マラリア、
卵型マラリア、熱帯熱マラリアの4種類があり、
39度以上の高熱や悪寒、頭痛、関節痛、筋肉痛
などの症状が出ます。
それぞれの種類によって、発熱のサイクルが違いますが、
熱帯熱マラリアは放置すると致命的ですし、
そのほかのマラリアも死にいたることもあります。
また、命は助かっても慢性化することがありますので、
早急に医療機関を受診する必要があります。
日本では昔は土着マラリアがありましたが、
現在は絶滅していて、日本で感染することはありません。
日本でのマラリア発症例は、海外で感染し、
日本に帰国後発症したというものです。
渡航先でのマラリア予防
日本にいる限り、
マラリアに感染する可能性はほぼありませんが、
海外に渡航した場合は注意が必要です。
マラリアの主な感染地域は
亜熱帯から熱帯にかけての暑い地域ですが、
実は韓国や中国でもマラリアに感染するリスクがあり、
2007年のデータでは韓国で2万3000人以上が
マラリアに感染しています。
現時点でマラリアのワクチンはありません。
また、流行地域に行く場合は
予防薬を服用することが効果的ですが、医師の処方が必要ですし
渡航先によって適切な予防薬が異なる場合がありますし、
定期的な内服が必要で、
帰国後も服用し続ける必要がありますので、
必ず専門医に相談するようにしましょう。
自分でできるマラリア予防は、
とにかく蚊に刺されないようにすることです。
流行地域に行くときは、長袖長ズボンを着用し、
肌の露出を控えることや虫除けスプレー、
蚊取り線香などを使用すること、
寝るときは蚊帳を用いること等を実践していきましょう。
将来マラリアが無くなる可能性も?
日本では感染の危険がないので、
それほど身近な病気ではありませんが、
WHO(世界保健機関)の推計によると、
年間3~5億人がマラリアに感染し、
150~270万人が死亡しているとされています。
現在の世界人口は約70億人と言われていますので、
20人に1人はマラリアに感染している計算になります。
個人的なマラリア予防は上記に挙げたとおりですが、
それ以外のマラリア対策には
衛生環境を良くして蚊を減らすことがあります。
日本で土着マラリアが絶滅したのは、
衛生環境が良くなったためと言われています。
ただ、実際問題として発展途上国では
マラリアを絶滅させるほど衛生環境を良くする事は難しく、
マラリア対策が進まない現状があります。
しかし、ここ最近の研究により、
マラリアを絶滅させる可能性が見えてきました。
一つ目がワクチンの開発です。
現在はマラリアのワクチンはありませんが、
開発は着実に進んでいて、2013年にはイギリスの製薬会社が
マラリアのワクチンの販売見通しが立った
との発表がありました。
このワクチンで、
マラリアの発症リスクは56%低下するとのことです。
また、イギリスのロンドン大学では、
蚊の遺伝子を組み替えて生まれてくる子孫の大半を
強制的に雄になるようにし、
最終的に蚊を絶滅に導くマラリア対策の研究が進んでいます。
今後は、これらの研究成果により、
マラリアは世界的に「撲滅」した感染症になる日が
くるかもしれませんね。