重症化して死亡する例も!O157による食中毒を防ぎましょう。
O157食中毒が急増中
2012年にレバ刺しなど牛の肝臓の生食として
販売・提供することが禁止になりました。
これは牛の肝臓は、
O157など腸管出血性大腸菌などのウイルスに汚染されていて、
未加熱もしくは不十分な加熱状態で食べると、
重篤な食中毒を引き起こすリスクがあるための処置です。
この牛の肝臓の生食販売・提供が禁止になってから
1年経った2013年のO157による食中毒の患者数は
2007年と比べると、約60%も減少しています。
ただ牛の肝臓を生で食べなければ、
O157に感染するリスクはないというわけではありません。
国立感染症研究所のまとめによると、
O157など腸管出血性大腸菌による食中毒が5週連続で増加してて
保育施設での集団感染も報告されていますし、
死亡するケースも出ていて、
自治体などは食中毒予防の徹底を呼びかけています。
腸管出血性大腸菌O157とは?
腸管出血性大腸菌は、大腸菌の一種です。
大腸菌はその名のとおり大腸に常在する細菌で、
人体に無害なものも多いのですが、
腸管出血性大腸菌はベロ毒素を産生し、
下痢などを引き起こします。
腸管出血性大腸菌の代表的なものはO157ですが、
O157以外にもO26やO111など
食中毒を引き起こす腸管出血性大腸菌は多数あります。
O157は牛の大腸内に生息していて、糞便と一緒に排泄され、
水や食物を通して人に感染します。
牛レバ刺しやローストビーフ、ハンバーグ、牛タタキなど
不十分な加熱の牛肉から感染することが多いのですが、
牛肉以外にも野菜なども原因食品として特定されています。
O157に感染すると、3~8日の潜伏期間を経た後、
腹痛や水溶性の下痢を起こし、
発症後1~2日で血性の下痢に変わります。
重症化しなければ、1週間から10日程度で回復しますが、
O157が産生するベロ毒素が
腎臓の毛細血管内皮細胞を破壊すると、
溶血性尿毒症症候群を併発し、
急性腎不全や尿毒症を発症して
死亡することもあります。
O157の食中毒の予防法
O157は重症化しやすく、
100個程度と非常に少ない菌でも発症しますので、
しっかり予防策を取っていく必要があります。
O157を予防するには、
牛肉類はしっかりと加熱することが大切です。
特に、レバーなどの内臓やハンバーグなどのひき肉を使う時は
中心部まで加熱するようにしてください。
また、生肉を扱ったまな板や包丁などの調理器具は、
すぐに洗って熱湯消毒して、
O157がほかの食材に付着することを防ぎましょう。
もちろん、手もしっかり洗う必要があります。
食中毒予防の3原則である
「つけない、ふやさない、やっつける」は、O157にも有効です。
梅雨の時期から夏にかけて、O157の感染は増加しますので、
肉類を食べるときはしっかり中心部まで加熱して
予防しましょう。
O157で重症化するのは、
子供と高齢者が圧倒的に多いですので、
お子さんや高齢者がいるご家庭は、特に注意していきましょう。