糖尿病治療の最終手段であるインスリン療法。インスリンが飲み薬になる時代が来るかもしれません!
糖尿病の治療法は3つ
日本人の国民病のひとつで、
生活習慣病の代表格といえる病気です。
世界規模で見ると、日本の糖尿病患者数は、
世界第6位で1067万人です。
日本の人口は世界第10位ですので、
人口に比べて糖尿病患者数が多いことがわかりますよね。
糖尿病は一度発症すると、完治することはなく、
一生付き合っていかなくてはいけないものですので、
治療も一生続けていく必要があります。
糖尿病の治療法は、大きく分けて3種類あります。
食事療法、運動療法、薬物療法ですね。
糖尿病の初期の頃は
食事療法と運動療法のみでコントロール可能ですが、
症状が進行していくと、
薬を使わなくてはいけなくなります。
薬物療法は、インスリンの分泌を促したり、
インスリン抵抗性を高めたりすることで
血糖値をコントロールする飲み薬タイプと
インスリンを皮下注射して血糖値をコントロールするタイプ
のものに分けることができます。
インスリン療法のデメリットは?
インスリンを皮下注射するインスリン療法は、
糖尿病治療の最終手段です。
食事療法や運動療法でもダメ、
そして体内で分泌されるインスリンだけでは、
薬の力を借りて分泌を促したりしても
効果が薄いという場合に、インスリン療法が選択されます。
一度インスリン療法が開始すると、
基本的にはずっとインスリン療法を
続けていかなくてはいけません。
インスリン療法は、インスリンを皮下注射しますので、
すぐに血糖値を下げることができるという
大きなメリットがありますが、デメリットもあります。
インスリン療法のデメリットといえば、
皮下注射であることです。
最近は、インスリン注射の針が改良されて極細になり、
先端も痛みが少ないように特殊なカットがされていますので、
皮下注射をしてもほとんど痛みは感じませんが、
それでも飲み薬に比べると「注射」というだけで嫌ですよね。
また、手順も面倒です。
注射するインスリンの量(単位)をきちんと確認して、
針をつけ、アルコール綿で消毒し、確実に注射をして、
針は感染性廃棄物としてきちんと処理する。
この手順を注射のたびに行わなくてはいけないんです。
痛みはほとんどなくても、
注射に対するマイナスのイメージと手順が面倒であるため、
インスリン療法を続けることができず、
勝手に治療を中止してしまい、
糖尿病が悪化してしまうという人も珍しくありません。
飲むインスリンが開発中!
そんな中、今イスラエルやデンマーク、インドなど世界中で
「飲むインスリン」が開発されているんです。
今まではインスリンは注射によって
体内に取り入れるしかありませんでしたが、
インスリンを飲み薬の形にしよういうものです。
ただ、インスリンは胃で吸収されやすく、
腸から血液中に吸収されにくいという欠点があり、
今まで内服薬にはできませんでした。
でも神戸学院大学の武田教授らの研究チームは、
インスリンを腸まで届ける技術を開発し、
2年以内に臨床試験を開始する計画だということです。
近い将来、インスリンの皮下注射は古い治療法になり、
インスリンは内服薬であることが
常識となるかもしれません。
インスリンが内服薬になれば、皮下注射よりも簡単に
インスリン療法を実施することができますので、
勝手にインスリン療法を中断する人も減るはずです。
今後のさらなる研究・開発に期待したいですね。