健康診断で便潜血陽性。考えられる病気は何なのか、知っておきましょう
検便って何を調べるの?
健康診断の項目の中に、検便がありますよね。
検便は何を調べるための検査なのか知っていますか?
検便は、便の中に血が混ざっているかどうか
(便潜血の有無)を調べるためのものです。
便に血液が混ざっている状態は、
血便、タール便、便潜血の3つに分けられます。
血便は見ただけで便が赤く、
血液が混ざっていることがわかる便です。
タール便は、黒色便です。
タール便は胃や小腸などの上部消化管から出血があった時に、
長い消化管を血液が通っていく過程で血液が酸化するため、
血液が黒色になるんです。
そして、便潜血は見ただけでは
血液が混ざっていることがわからない程度の微量の血液が
便に混ざっている状態のことです。
血便やタール便は、
パッと見ただけでいつもの便と違うことがわかりますので、
病院を受診しようと思いますよね。
でも、見た目は健康な便と変わらなければ、
異常に気づくことはないですよね。
でも、便に血液が混ざるということは、
消化管に何らかの異常があるということです。
大きな病気が潜んでいる可能性がありますので、
健康診断の検便では便潜血の有無を調べるんです。
便潜血陽性だとがん?
健康診断で、便潜血陽性という結果が出た場合、
あなたはどんな病気を思い浮かべるでしょうか?
多くの人が、
「大腸がんなのでは?」と不安に感じると思います。
なぜがんになると便に血液が混ざるのでしょう?
がん細胞は、
普通の細胞と比べるととても脆く血管も豊富なんです。
そのため、ちょっとした刺激で
出血しやすいと言う特徴があります。
そのため、消化管にがんがあると、
便に血液が混ざるようになるんですね。
ただ、便潜血があったからといって、
必ずしも大腸がんというわけではありません。
便潜血陽性の結果が出ても、
精密検査の結果で0.1~3%程度しかおらず、
しかもそのうちの半数は早期がんとなっています。
便潜血陽性で考えられる病気は?
便潜血陽性で大腸がんの確率は0.1~3%程度ということは、
残りは一体どんな病気が考えられるんでしょう?
便潜血陽性で考えられる病気はたくさんあり、
胃潰瘍や十二指腸潰瘍、ポリープ、潰瘍性大腸炎、
クローン病、痔などが考えられます。
がんじゃない可能性が高いなら、
そのまま様子を見ていても良いかな?
と考えるかもしれませんが、
ポリープは将来的にがん化する可能性がありますし、
胃潰瘍や十二指腸潰瘍を放っておくと、
大量出血につながることもあります。
また、確率は3%以下と言っても、
がんの可能性もあるんです。
そのため、健康診断で便潜血陽性の結果が出たら、
すぐに精密検査を受けるようにしましょう。