突然片方の耳が聞こえなくなる原因は何?難聴を引き起こす病気について知りましょう。
突然耳が聞こえなくなる=突発性難聴
「朝起きたら片耳が聞こえなくなっていた」、
「会社にいた時はいつもどおりだったのに、
退勤して家に帰ってきたら、片耳が聞こえないことに気づいた」など
突然片耳が聞こえなくなってしまうという病気があります。
しかも、その病気は1つだけではなく、
片耳が聞こえなくなるという症状が出る病気は
いろいろな種類があるんです。
片耳が突然聞こえなくなる病気の代表的なものを紹介します。
片耳が突然聞こえなくなる病気の中で、
最も多いのは突発性難聴です。
突発性難聴は、内耳や内耳から聴覚中枢までの部分に
何らかの異常があることで起こる感覚性難聴が発症する病気です。
突発性難聴は突然片耳が聞こえなくなること以外に、
耳鳴りや自閉感などの症状が伴うことがあります。
また、突発性難聴が発症した瞬間に、
強いめまいを感じる人もいます。
突発性難聴の原因は、ウイルス感染説や
内耳の血流障害説などが有力とされていますが、
実際のところは解明されておらず、
厚生労働省の特定疾患にも指定されている難病です。
突発性難聴は発症後できるだけ早く耳鼻科を受診して、
治療を始める必要があります。
発症後1週間以内に治療を開始すれば比較的予後は良好ですが、
2週間以上経ってしまうと治る確率はかなり下がってしまいます。
突然の難聴=滲出性中耳炎
滲出性中耳炎でも、
片耳が突然聞こえなくなるという症状が現れます。
滲出性中耳炎は、中耳にある耳管の働きが低下することで、
中耳粘膜から滲出してきた液が中耳に溜まって
聴覚障害を引き起こす病気です。
この滲出性中耳炎は、耳管が未発達な乳幼児や老化によって
耳管の働きが低下する高齢者に多いという特徴があります。
乳幼児は片耳だけではなく両耳で起こりやすいのですが、
言葉が未発達のため耳が聞こえないという症状を
自分で話すことができませんので、テレビの音を大きくしたり、
話す声がいつもより大きい、呼んでも振り向かないなどがあったら、
滲出性中耳炎を疑いましょう。
大人の滲出性中耳炎は、片耳だけに起こることが多いのですが、
高齢者の場合は老人性難聴と勘違いしてしまうこともあります。
滲出性中耳炎は悪化すると、鼓膜切開が必要になったり、
真珠腫性中耳炎へ移行することもありますので、
早めに治療を始めましょう。
突然の難聴=聴神経腫瘍
突然の難聴が出る病気の中で、最も恐ろしいのは聴神経腫瘍です。
聴神経腫瘍は脳腫瘍の1つで、脳腫瘍の10%を占めています。
脳腫瘍というと「がん」を思い浮かべるかもしれませんが、
聴神経腫瘍は良性腫瘍ですのでがんではありません。
がんでなければ大丈夫と思うかもしれませんが、
前庭神経や蝸牛神経にできた超神経腫瘍は
神経を圧迫して難聴や耳鳴りを引き起こします。
そして、このような症状があるにもかかわらず放置しておくと、
良性腫瘍でもその腫瘍が大きくなって、
脳組織を圧迫・破壊することがあるんです。
そうすると最悪の場合、死に至ります。
片耳が聞こえなくなっても、もう片方が聞こえるし、
ほかの症状はないから、
とりあえず様子を見るかと思うかもしれませんが、
片耳の難聴でも思わぬ重大な病気が隠れていることもありますので、
片耳の難聴は放っておかずにすぐに耳鼻科を受診するようにしましょう。