ノロウイルスに感染したら、脱水だけではなく窒息や誤嚥にも注意しましょう。
ノロウイルスが流行しやすい理由
冬はノロウイルスが流行する季節です。
特に12月から1月にかけては、
全国各地でノロウイルスによる感染性胃腸炎の
集団感染が起こっています。
ノロウイルスは
牡蠣などの二枚貝に寄生しているウイルスですので、
生牡蠣や十分に加熱されていない牡蠣を食べたら、
ノロウイルスに感染するというのわかりますよね。
でも、ノロウイルスは牡蠣を食べていなくても
感染することがあります。
それはなぜなんでしょうか?
それは、ノロウイルスの感染力が非常に強いためです。
感染者の便にはノロウイルスが排出されていますが、
便1グラム当たりどのくらいのウイルスが含まれているか
知っていますか?
なんと便1グラム当たり
ノロウイルスが1億個も潜んでいるんです。
ちなみに、ノロウイルスは10個から100個が
体内に入るだけで感染しますので、
簡単に感染は広がっていくんです。
また、ノロウイルスは非常に小さくて軽いので、
乾燥すると空気中に舞い上がります。
その空気を吸い込めば、感染します。
ですから、感染者の嘔吐物の処理を少しでも間違うと、
集団感染の原因になってしまうんですね。
ノロウイルスは脱水に注意
ノロウイルスに感染すると、嘔吐や下痢、
腹痛などの症状が起こります。
特に、嘔吐が激しいことが
ノロウイルスによる感染性胃腸炎の特徴です。
ひどい場合は、一晩に10回以上嘔吐するので、
トイレから出られないということもあります。
嘔吐と下痢が激しい場合、何も口にしたくないですよね。
でも、少し無理してでも水分補給だけは
しておかなくてはいけません。
嘔吐と下痢があると、
体内から水分と電解質を大量に失います。
つまり、脱水症状になりやすいんです。
脱水症状になれば、頭痛や倦怠感、口渇感、
食欲不振などの症状が現れますが、
ノロウイルスに感染していると、
これらの症状に気づきにくいですので、
気がついたら重症になって
意識障害や痙攣にいたることもあります。
少しずつでもしっかり水分補給をすること、
水分を取れなくなったら
早めに医療機関を受診するようにしてください。
窒息や誤嚥にも注意して!
ノロウイルスで嘔吐や下痢が激しい時は、
意識的に水分補給をして、脱水を予防することは
知っている人も多いかもしれません。
でも、ノロウイルスに感染しているときに注意すべきことは
脱水予防だけではないんです。
ノロウイルスで嘔吐があるときは、
吐瀉物による窒息や誤嚥にも気をつけなければいけません。
特に乳幼児や高齢者は注意が必要です。
乳幼児や高齢者は、グッタリしていると
自分の吐瀉物が気道に入って窒息してしまうことがあるんです。
また、窒息するほどの量ではなくても、
少量が気道にはいるだけで、誤嚥性肺炎を引き起こします。
乳幼児や高齢者がノロウイルスに感染したら、
窒息や誤嚥しないように家族の人が看病しながら
見守る必要があります。
ノロウイルスは脱水症状と一緒に
窒息や誤嚥にも注意が必要ですが、
何より感染しないように予防することが大切です。
きちんと手洗いをして、ノロウイルスに感染しないようにしましょう。