新しい薬剤の登場で、C型肝炎は完治できる時代になっています。
C型肝炎は肝臓がんに移行しやすい
C型肝炎ウイルスの感染者数は、
日本国内に150~200万人もいると推計されています。
C型肝炎ウイルスに感染すると、C型肝炎を発症します。
C型肝炎の怖いところは、肝臓がんへ移行することです。
C型肝炎ウイルスに感染すると、
最初は急性肝炎のような症状を示した後、
症状が現れない持続感染へと移行します。
そして、徐々に肝臓の機能が悪化し、慢性肝炎になります。
C型肝炎による慢性肝炎の場合、
その60%が肝硬変へと移行し、
肝硬変になると年間7~8%が肝臓がんを発症するんです。
肝臓がんの約80%がC型肝炎が原因と言われています。
C型肝炎は治る時代です
C型肝炎は、初期感染の時点でウイルスを排除できなかった場合、
完治は難しい病気とみなされていました。
肝硬変への移行、
肝臓がんの発症を少しでも遅らせることが治療の目的で、
ウイルスの完全排除は難しかったのです。
でも、この認識は一昔前のものです。
近年、C型肝炎に有効な薬剤が次々に開発されて、治療法が進化し、
今ではC型肝炎は完治可能な病気になっています。
C型肝炎の治療の基本は、
インターフェロンという薬剤の使用です。
このインターフェロンだけだと、完治率は4割程度でした。
しかし、2004年にC型肝炎ウイルスに効果のある
抗ウイルス薬が認可され、
さらに2013年にウイルスの増殖を抑えるための薬剤が登場し、
この3剤を併用すると完治率は9割まで達するようになったんです。
そして、2014年には
インターフェロンを使わなくても済む治療薬も登場しました。
これはインターフェロンの副作用がきつかった人、
インターフェロンの効果がなかった人にも、
新しい治療法が示されたことになります。
C型肝炎治療は助成金が使えます
C型肝炎は治る時代になりましたが、
やはり気になるのは治療代ですよね。
インターフェロンを使うと、
どうしても治療費が高額になってしまい、
経済的な負担がかかってしまうのが現状です。
でも、経済的な負担を軽減させるために、
2008年からインターフェロンを使ったC型肝炎の治療には、
助成金が出るようになりました。
世帯の市町村民税課税年額が23万5000円未満だと、
月の自己負担の上限が1万円、
23万5000円以上だと2万円となっています。
この助成金制度ができる前は、インターフェロンの種類や量、
併用する薬や検査などで治療費は異なりますが、
高額療養費制度を使ったとしても、
月に5~8万円程度はかかっていましたので、
途中で治療を中断せざるを得ない人もいたんです。
でも、月の自己負担が1万円(所得によって2万円)で済むなら、
インターフェロンの治療を続けられますよね。
C型肝炎は完治可能、そして治療費も助成金が使えます。
C型肝炎を取り巻く現状は、ドンドン変化しているのです。
今後、C型肝炎は100%完治可能という時代が
来るかもしれませんね。