慢性膵炎の原因はアルコール!慢性膵炎について、知りましょう。
慢性膵炎ってどんな病気?
慢性膵炎とは膵臓の炎症が繰り返されて、
常に炎症が起こっている状態になってしまったため、
膵臓の正常な組織が破壊されて線維化し、
硬くなっていく病気です。
慢性膵炎は膵臓の正常な細胞が減ってしまいますので、
膵臓の働きが低下して膵液が十分に分泌されなくなり、
食物の消化吸収が上手くできなくなってしまうのです。
しかも、一度破壊されてしまった膵臓の細胞は、
再生することはありません。
つまり、慢性膵炎になると
もう二度と正常な膵臓は戻ってこないのです。
ですから、慢性膵炎と診断されたら、
慢性膵炎がそれ以上進行しないようにきちんと治療をし、
膵臓をいたわる生活をしなければいけないのです。
慢性膵炎の原因の多くはアルコール
慢性膵炎の原因の多くは、アルコールです。
慢性膵炎の70%がアルコールが原因とされています。
お酒は百薬の長と言われていて、
適量であれば健康に良いものなのですが、
長年アルコールを多飲し続けると、
慢性膵炎を引き起こすことになります。
なぜ、アルコールを多飲すると慢性膵炎を引き起こすのかは、
まだ明確にはわかっていません。
でも、アルコールが膵液の分泌を増加させて膵臓に負担をかける、
アルコールが膵管の出口をむくませる、
膵管の中にタンパク栓ができて膵液の流れが
滞ってしまうなどの理由が考えられます。
また、アルコールやアルコールの分解途中で発生する
アセトアルデヒドが膵臓を直接傷つけている可能性もあります。
アルコールを多飲する人が
全員慢性膵炎になるわけではありませんが、
長年毎日のようにアルコールをたくさん飲み続けている人は、
慢性膵炎になるリスクが高いことを知っておきましょう。
こんな症状があったら慢性膵炎かも
慢性膵炎は膵臓の細胞が元に戻ることはありませんので、
早目に治療が必要になります。
ですから、慢性膵炎の症状を知っておくと、
「あれ?私、もしかしたら慢性膵炎かも」と思えて、
早目の受診につながりますね。
慢性膵炎の症状は、まず腹痛や吐き気が現れます。
また、上腹部や腰背部の痛みも出ることがあります。
ただ、1つ注意しなくてはいけないのが、
すべての人にこの痛みが出るというわけではないことです。
慢性膵炎の80%の人には痛みが出ますが、
残りの20%の人には痛みが出ないんです。
そして、この腹痛や上腹部痛などの痛み以外に、
特徴的なのが脂肪便(脂っこい便)です。
膵液は脂肪を分解する働きがありますが、
慢性膵炎になると膵液の分泌が少なくなりますので、
脂肪を消化できずに、脂っこい便となってしまうのです。
その他、体重減少や倦怠感、下痢、多尿、
口渇感などが慢性膵炎の症状になります。
これらの症状にいくつか当てはまるという人は、
慢性膵炎の可能性がありますので、
早目に医療機関を受診して検査してくださいね。