風邪じゃないのに熱が出るのはストレスのせい?心因性の発熱について知りましょう。
心因性の発熱とは?
熱っぽい、体が熱いと思って熱を測ると、
なんと38度以上もある!でも、喉も痛くないし、
咳も出ない、鼻水も出ていないから、
風邪じゃないんだけどという経験がある人はいませんか?
風邪やインフルエンザじゃないのに、熱が出たという場合、
ストレスが原因の心因性の発熱かもしれません。
心因性の発熱には2種類あって、
38度以上の高熱が出る場合と、
37度台の微熱が続く場合があります。
38度以上の高熱が出る場合は、
仕事をする、極度に緊張する、喧嘩するなどの
強い精神的なストレスが原因で、そのストレス原因がなくなると、
一気に熱が下がるというものです。
ただ、再び同じようなストレスが現れると、
高熱を出すことがあります。
微熱が出る場合は、1つの大きなストレスではなく、
慢性的にストレスが長く続いていたり、
いくつかのストレスが重なり合ったことが原因であることが
ほとんどです。
心因性の発熱は解熱剤が効かない
心因性の発熱の特徴は、解熱剤が効かないことです。
なぜなら、心因性の発熱は、
風邪やインフルエンザの発熱とメカニズムが違うからです。
風邪やインフルエンザの場合は、
ウイルスや細菌をやっつけるための反応として体温を上げています。
この「体内にウイルスや細菌が入ってきましたよ~」
という信号を送るのが、サイトカインやPGE2です。
風邪薬はサイトカインを抑える、解熱剤はPGE2を抑えることで、
解熱作用を発揮しているんです。
一方、心因性の発熱は
ストレスに対応するために交感神経が優位になり、
それが原因で発熱します。
サイトカインやPGE2は関係していないんです。
だから、心因性の発熱は解熱剤が効かないのです。
心因性の発熱はとにかく休息を
心因性の発熱は、解熱剤が効かないのであれば、
どうすれば良いのでしょうか?
心因性の発熱は、高熱型にしても、微熱型にしても、
ストレスが原因となっているのは間違いありません。
ストレスが原因で、体が「もう限界です!!!」と
SOSサインを出してきているんです。
体がそのようにSOSを出しているなら、そのSOSを受け止めて、
ゆっくり休息を取るようにしましょう。
栄養のあるものを食べ、たっぷり睡眠を取れば、
回復することがほとんどです。
それでも、回復しない場合は、生活指導や薬物療法、
瞑想、自律訓練法、心理療法などを組み合わせて、
その患者さん一人ひとりに合った治療法を実践していきます。
そして、何より心因性の発熱の原因となっているストレスを
根本から取り除くことが重要です。
風邪ではないのに高熱や微熱が出るという人は、
自分では感じないようなストレスを
抱えているのかもしれませんので、ゆっくり休んで、
ストレスを取り除くようにしましょう。