冬だけじゃない!ノロウイルスには1年中注意が必要。加熱処理すれば死滅します。
ノロウイルスは、冬限定ではない?
毎年12月から2月の冬に流行するノロウイルスですが、
冬限定の感染症だと思っていませんか?
ノロウイルスは、冬だけでなく
1年中感染例が報告されているんです。
確かに、冬場に集団感染が多いノロウイルスですが、
厚生労働省のデータによると、平成23年は1年間で
8619人の患者が報告されていて、そのうち
7月から9月の夏場に感染した患者数は483人です。
割合は5~6%と非常に低いですが、ノロウイルスに
感染する危険はありますので、ノロウイルスへの感染予防は、
1年中実施する必要があります。
ノロウイルスってどんなウイルス?
ノロウイルスは魚介類、特にカキやアサリ、
シジミなどに多く生息するウイルスです。
ノロウイルスは、加熱処理すれば死滅しますので、
感染することはありません。
しかし、加熱不十分のまま、ノロウイルスに
汚染されているものを食べると、
下痢や嘔吐などの症状を引き起こします。
冬場にノロウイルスが流行する原因は、
生ガキを食べる機会が多いからです。
夏は、カキを食べる機会がほとんどありませんので、
そのほかの食品から感染していると考えられます。
ノロウイルスが怖いのは、その強力な感染力です。
極少量のノロウイルスが体内に入っただけで、
感染して症状が現れます。
また、ノロウイルスは乾燥した環境で3~4週間は
生息可能ですので、人から人への2次感染例も
多く報告されています。
ノロウイルスの感染経路は?
ノロウイルスの感染経路は、ほとんど経口感染です。
ノロウイルスが生息している食品を
十分な加熱をせずに食べてしまった場合は、もちろん感染します。
これ以外に、ノロウイルスは2次感染が怖いのです。
感染者の吐瀉物や便などノロウイルスが含まれている
ものを触って、口や鼻などからウイルスが
体内へ入ってしまった場合や、ノロウイルスに汚染された
食品を扱ったあと、手や調理器具を十分に洗わずに
生野菜の調理に使ってしまった場合などです。
夏場に生ガキを食べないのに、ノロウイルス感染が
発生するのは、十分に加熱処理をしていない
2枚貝を扱った包丁やまな板を消毒せずに、
ほかの食品を調理したことが原因と考えられます。
ノロウイルス予防の方法は?
夏場のノロウイルスの予防法は、魚介類(特に貝類)は
中心部までしっかり加熱することです。
加熱の目安としては、食品の中心部が85℃以上で
1分以上加熱すると感染性は無くなると言われています。
また、生の食品を扱ったまな板や包丁などの調理器具は、
次の食品を扱う前にしっかり洗って消毒してから
使うようにしましょう。
これらは、ノロウイルスだけでなく、
夏場に増えてくる細菌性(腸管出血性大腸菌やカンピロバクターなど)
の予防にも役立ちますよ。