バセドウ病と橋本病は似ているようで違う!バセドウ病と橋本病の関係を知りましょう!
バセドウ病と橋本病の違い=メカニズム
バセドウ病と橋本病は、
どちらも甲状腺に関する自己免疫疾患の病気です。
バセドウ病は甲状腺の機能が亢進してしまう病気で、
橋本病は甲状腺の機能が低下してしまう病気になります。
ただ、このバセドウ病と橋本病は
どちらも自己免疫に異常が生じるために起こる病気なのです。
自己免疫に異常が生じて、
甲状腺を免疫機能が攻撃することで
バセドウ病や橋本病が起こります。
では、自己免疫の異常が生じて甲状腺を攻撃しているのに、
一方では甲状腺の機能が亢進し、
もう一方では甲状腺の機能が低下してしまうのは
なぜなのでしょう?
バセドウ病は免疫異能が甲状腺を異物とみなして攻撃しますが、
この過程で自己抗体を作ってしまいます。
この自己抗体が甲状腺を刺激して、
甲状腺ホルモンを過剰に分泌するようになります。
これが、バセドウ病です。
次に橋本病ですが、
橋本病は免疫機能がそのまま甲状腺を攻撃して、
甲状腺の細胞を破壊してしまいますので、
甲状腺の機能が低下して、
甲状腺モルモンの分泌量が減ってしまうのです。
バセドウ病と橋本病の違い=症状
バセドウ病と橋本病の違いは、症状にも現れます。
先ほども少し触れましたが、
バセドウ病は甲状腺機能が亢進して、
甲状腺ホルモンが多くなります。
逆に橋本病は甲状腺機能が低下して、
甲状腺ホルモンが少なくなります。
甲状腺ホルモンは
全身の細胞の代謝に関わるホルモンですので、
甲状腺ホルモンが多くなれば、全身の代謝がアップし、
少なくなれば全身の代謝が下がります。
バセドウ病では細胞のの代謝が上がるので、
動悸や頻脈、多汗、暑がりになる、微熱、痩せる、
疲れやすいなどの症状が現れます。
24時間ずっとノンストップで
ジョギングをしているようなものだと思ってください。
橋本病は細胞の代謝が下がるので、
徐脈や低体温、倦怠感、動作緩慢、太る、皮膚の乾燥、
眠い、無気力などの症状が現れます。
バセドウ病と橋本病は、正反対の症状が現れるんです。
ただ、どちらも甲状腺に異常が出る病気ですので、
甲状腺が全体的に腫れてしまうという症状は共通しています。
橋本病がバセドウ病に変化することも?
バセドウ病と橋本病の違いを説明してきましたが、
似たような病気でありながら、
違う点も多いという不思議な関係であることが
お分かりいただけたでしょうか?
実は、バセドウ病と橋本病は
もう1つ不思議な関係があるんです。
すべての患者さんに当てはまるわけではなく、
ごくまれなケースではありますが、橋本病の患者さんが、
突然バセドウ病に変わることがあるんです。
甲状腺機能が低下していたら、
突然何らかの原因で甲状腺機能が亢進してしまうんです。
これは、バセドウ病になった人が家族にいる場合の
橋本病患者さんに多く見られる傾向です。
橋本病がバセドウ病に変化するなんて、
とても面白い現象というか不思議な現象ですね。
バセドウ病も橋本病も、遺伝が発症要因となっていますので、
甲状腺疾患を患った人が家族にいる場合は、
定期的に検査を受けたほうが良いでしょう。