急増する大腸がん。その原因は、食生活の変化だった?和食中心の食生活を送ることが重要です。
急増する大腸がん
以前、日本人に多いがんは、胃がんでしたが、
ここ30年ほどの間で大腸がんが急増しています。
2011年のデータによると、がんの部位別死亡数の統計で、
大腸がんは男性で3位、女性で1位となっています。
がんの総患者数は、
2008年の時点で151万8000人ですが、
このうち大腸がん患者は23万5000人と
15.4%を占めています。
また大腸がん患者数は、2005年から3年間で
9.8%も増加していることがわかっています。
大腸がんは、日本人に少なく、
欧米人に多いと言われていましたが、
なぜ日本人の大腸がんが増えているのでしょう?
大腸がん増加の理由は?
日本人に大腸がんが増加している理由は、
ずばり食生活の欧米化です。
以前は、和食中心の食生活だったのに対し、
ここ数十年で肉類や乳製品の消費量が増えて、
欧米のような食生活に変化しつつあります。
農林水産省のデータによると、
2011年の年間1人あたりの肉の平均消費量は29.6kgですが
1965年では9.2kgでした。
46年間で3倍以上に増加してますが、
これに比例するように大腸がん患者も増加しているのです。
肉類や乳製品には、動物性脂肪が多く含まれています。
体内で動物性脂肪を消化する時に、
胆汁が多く分泌されますが、
胆汁に含まれている胆汁酸が大腸がんの発症に
関連していると考えられています。
また、和食には食物繊維が多く含まれていますが、
食生活の欧米化によって、
食物繊維の摂取量が減少傾向にあります。
食物繊維が不足すると、
便が腸内に留まる時間が長くなり、
発がんリスクのある胆汁酸が腸に留まる時間も長くなるため
大腸がんのリスクが高まるのです。
大腸がんを予防するためには
大腸がんの危険因子は、上記でも述べているように
動物性脂肪の過剰摂取と食物繊維の不足です。
つまり、大腸がんを予防するためには、
和食中心の食生活を送ることが重要です。
肉類は控えめにして、野菜や海藻類、
大豆製品を積極的に取るようにしましょう。
また、腸内環境を整えると、
大腸がんのリスクが減りますので、
ヨーグルトや発酵食品から乳酸菌を
多く摂取することも効果的です。
また、最近の研究では、カルシウムやコーヒーが
大腸がん予防に有効という結果も報告されています。
日本糖尿病学会と日本癌学会の合同委員会の発表によると、
糖尿病患者が大腸がんになるリスクは、
糖尿病でない人に比べて1.4倍も高いそうです。
これは、血糖値が上がることで、DNAが損傷され、
発がんリスクが高まるためと考えられています。
大腸がんは、食生活の改善によって、
発症リスクを下げることができる病気です。
一度、自分の食生活を見直して、
和食中心の食生活に切り替えてみてはいかがですか?