日進月歩のアルツハイマー型認知症研究。現時点でできるアルツハイマー型認知症予防とは?
増加するアルツハイマー型認知症
日本では、高齢者の増加に伴い、
アルツハイマー型認知症患者の増加が問題になっています。
厚生労働省の2010年のデータを基に推計すると、
2010年のアルツハイマー型認知症の患者数は約116万人、
2015年には142万人に達すると言われています。
また、今後は早期診断法が確立された場合、
患者数は急増し、2025年には220万人にまで
増えることが予想されています。
高齢者の人口が増加することで、
アルツハイマー型認知症患者も増加することは、
自然の流れです。
しかし、認知症を発症すると、
QOL(生活の質)が著しく低下しますし、
健康寿命が短くなる最大の要因となります。
また、介護の必要が出てくるため、
家族の体力的・精神的・金銭的負担も
大きくなりますので、可能な限り、
アルツハイマー型認知症を発症したくありませんよね。
現時点では、アルツハイマー型認知症の
メカニズムは不明な点もあるため、
劇的な特効薬や予防薬は、開発されていませんが、
発症リスクを下げる研究結果は次々に報告されています。
血圧降下剤やオリーブオイルで認知症抑制?
イギリス医師会の雑誌『BMJ Open』
に発表された研究によると、
血圧降下剤であるACE阻害薬(CACE-I)を服用している人は
服用していない人に比べて、認知症の進行が遅くなったり、
認知機能が向上したという調査結果が得られたそうです。
また、2009年にアメリカ医師会の内科雑誌に
発表された研究では、ACE阻害薬(CACE-I)には、
認知力の減退を長期的かつ大幅に抑制する効果が
あるという結果が出ており、
ACE阻害薬を1年間服用すると、
認知力の減退が65%抑制される可能性があるとのことです。
さらに、アメリカの神経医学会の雑誌に発表された
アルツハイマー抑制方法は、地中海式ダイエットです。
地中海式ダイエットとは、ギリシャや南イタリアなどの
食生活を取り入れたダイエット方法で、
魚介類やナッツ類、オリーブオイルを多用している
特徴があります。
地中海式ダイエットを実行している人は、
実行していない人に比べて、
思考や記憶に関する問題が生じる可能性が
19%低いという調査結果が出ています。
今後、このような研究がどんどん進んでいけば、
アルツハイマー型認知症のメカニズムも解明され、
効果的な予防薬や治療薬が開発されるかもしれません。
アルツハイマーを予防するには
日進月歩で、アルツハイマー型認知症の
研究は進んでいるものの、
現時点では予防薬は開発されていませんので、
自分でできるアルツハイマー型認知症の予防法を
実践するしかありません。
アルツハイマーを予防するには、
「塩分や動物性脂肪を控えたバランスの良い食事を取ること」
や「適度な運動すること」、「飲酒は適量を守ること」、
「禁煙すること」などがあります。
これらを全て行っても、
アルツハイマーを完全に予防することはできませんが、
発症リスクを低下させることはわかっています。
老後のQOLを保つためにも、
今からアルツハイマー予防を実践していきましょう。