新たな国民病と言われる慢性腎臓病について知りましょう。生活習慣に密接に関係している病気です
思春期に太っていると腎臓病に?
イギリスのロンドン大学衛生学・熱帯医学大学院の
リチャード・J・シルバーウッド氏らの調査によると、
思春期に肥満だと、
60代になってから慢性腎臓病の発症リスクが
高まることがわかりました。
シルバーウッド氏らは、1946年3月の第1週に
イギリスで生まれた子供4340人を選び、
「肥満でない」、「思春期前に肥満」、「思春期に肥満」、
「常に肥満」の4グループに分類し、
この調査の参加者が60~64歳になった時の腎臓の機能を
検査したところ、2~20歳で肥満ではなかったグループと比べ
思春期に肥満だったグループと常に肥満だったクループでは、
慢性腎臓病のリスクが2.04倍と高いという結果が出たのです。
慢性腎臓病は、
進行すると血液透析を受けなければいけませんので、
子供の頃から肥満にならないように、
食生活や運動習慣に気をつけなければいけないんですね。
慢性腎臓病とは
慢性腎臓病の患者数は急増していて、
予備軍も含めると日本には約1330万人もいると
推計されています。
慢性腎臓病は、
生活習慣に密接に関係していると考えられています。
生活習慣病といえば、糖尿病や高血圧、
脂質異常症などですよね。
これらの生活習慣病は、腎臓に負担を与え、
慢性腎臓病を進行させる危険因子として
知られています。
今後は、生活習慣病に
慢性腎臓病が加わることになるかもしれません。
慢性腎臓病の症状には、むくみや夜間尿、
倦怠感、貧血などがありますが、
このような自覚症状が出ている場合は、
既に病状が進行していることがほとんどです。
慢性腎臓病が進行すると
慢性腎臓病が進行すると、
腎臓の働きが低下しますので、尿が生成されず、
体内に水分や老廃物が蓄積してしまいます。
そのため、体内の水分や老廃物を排泄するために、
血液透析療法が必要となります。
血液透析は、週に2~3回約4~5時間かけて、
体内の血液を浄化させる方法です。
血液透析は、一生行わなくてはいけないので、
長期の旅行が難しくなるなどQOLが低下しますし、
日常の水分摂取量や食事内容も厳しい制限が課せられます。
また、最近の研究で、
慢性腎不全になると脳卒中や心筋梗塞のリスクが
大幅に上がることもわかっています。
慢性腎臓病は、水分が体内に蓄積しますので、
血液量が増加し、高血圧になりやすくなります。
高血圧になると、血管壁に負担を与えて、
動脈硬化の原因となります。
動脈硬化は脳卒中や心筋梗塞の原因となりますので、
慢性腎不全は脳卒中や心筋梗塞の危険因子なんです。
慢性腎臓病の予防は、
健康的な生活習慣を送ることです。
肥満解消や減塩を心がけるようにしましょう。