激しい下痢と嘔吐が特徴的な「ロタウイルス」。ワクチン接種で予防しましょう!
子供に多いロタウイルス
冬に流行する感染性胃腸炎といえば、
ノロウイルスを思い浮かべる人が多いと思いますが、
ロタウイルスによる胃腸炎にも注意が必要です。
ロタウイルスは、生後6ヶ月から2歳の乳幼児が
感染・発症するケースが多く、
日本では5歳までにほぼ100%の子供が
ロタウイルスにかかると言われています。
ロタウイルスの症状は、激しい下痢と嘔吐です。
通常の胃腸炎との違いは、下痢便が白っぽい
米のとぎ汁のような色をしていることです。
これは、ロタウイルスの影響で、
胆汁が分泌されないことによるものです。
子供の場合、自分で水分補給ができませんので、
脱水になる前に、大人が注意して水分補給をさせて、
脱水を予防する必要があります。
ロタウイルスの予防法
ロタウイルスの感染力は非常に強く、
予防対策は念入りに行う必要があります。
ロタウイルスは、わずか10個程度が
口から体内に入れば発症すると言われていますが、
ロタウイルス感染者の下痢便1mlの中には、
1億から100億個のロタウイルスが存在するんです。
ロタウイルスの予防の基本は、手洗いの徹底です。
トイレの後や食事の前、
感染者の下痢便や嘔吐物を処理した後は、
流水と石鹸で30秒以上かけて、
丁寧に手洗いをしましょう。
また、ロタウイルスはノロウイルスと同様に、
アルコールによる消毒は効果がなく、
次亜塩素酸ナトリウム(塩素系消毒剤)で
消毒する必要がありますので、注意しましょう。
ロタウイルス予防にワクチン
ロタウイルスには、ワクチンがあるってご存知ですか?
日本では、2011年にロタウイルスのワクチン使用が許可され
生後2、4、6ヶ月に3回の経口接種が必要となります。
このロタウイルスワクチンは、
ロタウイルス胃腸炎の重症化を9割
減らすことができると言われていて、
WHOでもワクチンの接種を推奨しています。
乳児期のロタウイルスワクチン接種は、
ロタウイルスへの感染や重症化を予防するだけでなく、
大人のロタウイルス感染を予防する効果があることが、
アメリカのエモリー大学の調査で明らかとなっています。
ロタウイルスの患者のほとんどが乳幼児ですが、
大人も感染することがあります。
大人の場合、免疫力があるため、感染しても発症しなかったり、
軽い症状で済むことが多いのですが、
体調によっては激しい下痢や嘔吐の症状が出ることもありますし
感染すれば便内に排菌するので、
子供に感染させることもあるのです。
現在、ロタウイルスのワクチン接種は、
任意接種ですので、費用は自己負担となり、
1回1万円~1万5000円ほどかかりますが、
子供だけでなく大人への感染も予防することができる
という点で、ワクチン接種の効果は高いと言えるでしょう。