冬に気分が落ち込む原因は、季節性うつ病の「冬季うつ病」かもしれません
冬季うつ病とは?
「冬になると、なんだか気分が落ち込んで、やる気が出ない。」
こんな症状に思い当たる人はいませんか?
冬になると気分がすぐれなくなる人は、
冬季うつ病かもしれません。
冬季うつ病とは、季節性うつ病の一種です。
季節性うつ病とは、ある特定の季節にだけ
「気分が落ち込む」などうつ病の症状が現れ、
その季節が終わると自然に回復するうつ病です。
冬季うつ病は、その名のとおり冬にだけ現れて、
春になると回復するうつ病で、
季節性うつ病の中で最も多くなっています。
この冬季うつ病の原因は、
日照時間の短さと考えられています。
冬は、日の出が遅くなり、日の入りが早くなりますので
日照時間が少なくなりますよね。
特に、緯度が高い北国では日照時間が少なくなるため、
冬季うつ病になる人の割合も増えています。
冬季うつ病の症状
冬季うつ病の症状は、
「気分がすぐれない、気分が落ち込む」などの
抑うつ症状だけではありません。
冬季うつ病に特徴的な症状は、
食欲が増加することと睡眠時間が長くなることです。
食欲の増加は、特に炭水化物や甘いものを
欲しやすくなる傾向にあります。
それに伴って、体重も増加する人が多いようです。
また、冬季うつ病になると、
「いくら寝ても寝足りない」、
「日中も眠くてたまらない」と眠気に襲われて、
睡眠時間が長くなる人が多くいます。
通常のうつ病の場合、
食欲低下や睡眠障害が現れますが、
冬季うつ病は逆の症状が現れます。
これは、体が「冬眠状態」に入っているためと
考えられています。
冬季うつ病の治療
冬季うつ病の治療法は、主に3つに分けられます。
1つ目は、通常のうつ病と同様に
抗うつ薬や抗不安薬を服用する薬物療法です。
抗うつ薬や抗不安薬など精神科の薬を服用することに
抵抗がある人がいると思いますが、
冬季うつ病の場合は、
春が来れば症状が改善しますので、
長期間服用する必要はありません。
2つ目は、高照度光療法です。
冬季うつ病の原因は、
日照時間の不足であると考えられていますので、
人工の光を浴びることで、日照時間の不足を補って、
症状を改善させるという治療法です。
3つ目が、生活習慣の改善です。
寒いからといって、屋内にいるのではなく、
積極的に屋外へ出て、太陽光を浴びることが、
冬季うつ病の改善に最も有効な治療法になります。
太陽の光を浴びることで、
体内の生活リズムがリセットされ、
自律神経が整えやすくなります。
また、青魚を積極的に食べることも
冬季うつ病には効果があると言われています。
アイスランドは、緯度が高く、
冬の日照時間が極端に短いにもかかわらず、
サバやアジなどを豊富に食べるため、
冬季うつ病の発症率が低くなっているのです。
これは、青魚に含まれるDHAが
うつ病を予防する効果があるためと考えられています。
冬を快適に過ごすためには、身体的な健康だけではなく、
精神的な健康も保つ必要があります。
冬季うつ病予防のためにも、
冬は積極的に日光を浴びるようにしましょう。