簡単に視力矯正ができるレーシック手術。手術を受ける前に、そのメリットとデメリットよく考えましょう
視力を回復させるレーシックとは?
視力が悪い人は、メガネかコンタクトレンズを使って
視力を矯正するのが一般的ですが、
近年は新しい視力矯正法として
レーシックが普及してきています。
レーシックとは、1990年代にアメリカで認知され始め、
日本では2000年に厚生労働省が認可した視力矯正手術です。
目の表面の角膜にエキシマレーザーを当てて、
角膜の屈折率を変えることで、視力を矯正しています。
日本で認可された2000年には年間2万人が
レーシック手術を受けましたが、
2008年には年間40万人にまで増加しています。
レーシック手術の人気の理由は、
メガネやコンタクトレンズを使わず、
裸眼で生活できるという点です。
また、「手術」といっても、
手術時間は約15分程度で術前の検査を含めても
日帰りで手術を受けられるため、
入院の必要がないことも
レーシックが一気に普及した理由のひとつでしょう。
レーシック難民とは?
レーシック難民という言葉を聞いたことはありますか?
レーシック難民とは、レーシック手術後に
眼や体に何らかの問題や症状が起こっているのに、
有効な治療法がなく、
そのままにせざるを得ない人のことです。
有効な治療法を求めて、いろいろな眼科を受診しているため
このようなネーミングがつけられました。
レーシックというと、
「簡単な手術で視力が矯正でき、
裸眼で生活ができるようになる」という
良い点ばかりが強調されてきましたが、
合併症が起こることもあります。
レーシックの合併症には、
過剰な矯正による(過矯正)による遠視や
光がにじんで見える「ハロ」、
光をまぶしく感じる「グレア」、
乱視、ドライアイなどがありますが、
このような症状から抑うつ症状や頭痛、めまい、
倦怠感などが現れる場合もあります。
現在のところ、
このようなレーシックによる合併症には、
有効な治療法がないのが実情です。
消費者庁が注意喚起
レーシック手術の合併症で苦しむレーシック難民が
増加していることを受けて、
消費者庁はレーシック手術への注意を呼びかけています。
消費者庁によると、
過去4年半でレーシック手術で眼に何らかの被害を受けた
という報告が80件寄せられていて、
消費者庁が行ったアンケートでも
レーシック手術を受けた人の約4割が、手術後に光がにじむ、
暗いところで物が見えにくくなったなどの
不具合を訴えたそうです。
日本眼科学会は、メガネやコンタクトレンズでの矯正で
それほど不便を感じていない場合は、
レーシック手術をするかどうか慎重に考えてほしいと
呼びかけています。
視力が悪い人にとって、簡単に視力を矯正できて、
裸眼で生活できるレーシック手術は、
とても魅力的なものですが、
メリットとデメリットをよく考え、
レーシック手術が必要かどうか判断するようにしましょう。