警告!妊婦の感染による「先天性風疹症候群」の赤ちゃんが急増中
風疹は流行が収まっても油断禁物
2012年からの風疹の流行は、
ようやく終息に向かっているようですが、
少ないながらも患者の発生報告は続いており、
予断を許さない状況です。
爆発的な感染の可能性、
大人になってから感染した場合の重症化など、
風疹の流行には様々な問題がありますが、
中でも妊婦が感染することにより、
「先天性風疹症候群」の
赤ちゃんが生まれる症例の増加は深刻で、
厚生労働省では注意を呼び掛けています。
「風疹は二度かからない」は嘘?
風疹は、一度かかれば
終生免疫が得られるものと考えられていました。
罹患したり予防接種を受けたりすることで抗体ができますが
時間が経てば徐々に免疫は弱まってきます。
その経過の中で、あまり間隔を開けずに
再度風疹のウイルスに接することにより、
また免疫は強化されます。
その繰り返しで免疫が
ほぼ終生有効であった時代もありましたが、
近年は予防接種率も上昇し、
風疹のウイルスに接する機会が減っているので、
抗体が途中でなくなり再度感染する人が増えています。
「子供のころ罹ったから」「予防接種を受けたから」
という理由で安心している人も多いかと思いますが、
抗体検査を受けてみなければ正確なことは
わからないのです。
妊娠を考えている女性は特に注意を
免疫のない妊娠初期の女性が風疹に罹患することで、
胎児に感染し「先天性風疹症候群」と呼ばれる
様々な障害を持った赤ちゃんが産まれることがあります。
その障害は、白内障・緑内障や網膜症などの目の異常、
難聴、心臓の奇形、脳性麻痺など多岐にわたり、
一生涯抱えていかなければならない場合も
少なくありません。
近年は、先天性風疹症候群を危惧しての
人工妊娠中絶数も増加しています。
妊娠可能年齢にある女性は、風疹の抗体検査を受け、
必要に応じて予防接種を受ける必要があります。
妊娠してからでは予防接種を受けることができません。
赤ちゃんを守るため、男性達も予防接種を!
それでは、風疹は女性だけが
気をつけていれば良いのでしょうか?
答えはNoです。
風疹は潜伏期間が長く、無症状のまま周囲にウイルスを
ばら撒いてしまう可能性の高い病気です。
風疹に感染した男性が、
それとは知らずに家族にうつしてしまうばかりか、
たまたま同じ空間にいた見ず知らずの妊婦に
感染させてしまうことも充分に考えられます。
特に、1987年以前生まれの男性は、
予防接種を受けていない可能性が高いので、
ぜひ一度抗体検査を受けてみてください。