子宮頸がんワクチンの副作用の原因は接種時の痛みが原因だった?
子宮頸がんワクチンの副作用
2013年4月から子宮頸がんワクチンが定期接種になり、
小学6年生から高校1年生までの女子は
原則無料で受けられるようになりましたが、
定期接種化してから健康被害の報告が相次ぎました。
事態を重く見た厚生労働省は、
定期接種化してからたった2ヵ月後の2013年6月に
積極的な接種を呼びかけるのを中止し、
希望者のみ接種するという形にしました。
子宮頸がんワクチンの健康被害とは、
全身の慢性的な鈍痛です。
ワクチン接種後1ヶ月以内に、四肢や背中などに鈍痛が生じて
歩行障害や四肢の運動能力の低下が起こり、
通学できないなど日常生活に支障が出たという事例が
70例以上報告されています。
全身の慢性的な痛み以外にも四肢の不随意運動やめまい、
痙攣などが起こる場合もあります。
これらの副作用と子宮頸がんワクチンとの因果関係は
明らかになっていません。
副作用は接種時の痛みが原因?
子宮頸がんワクチンの重篤な副作用の原因や
全身の慢性的な痛みと子宮頸がんワクチンの因果関係について、
厚生労働省が中心となって調査が進められてきましたが、
2014年1月20日の厚生労働省の検討部会は、
「接種時の痛みが心身の反応を引き起こした可能性を
否定できない」との見解をまとめました。
さらに、2013年6月から
積極的な接種の推奨が中止されていますが、
2月の検討部会で安全性を再検討した上で、
推奨接種を再開するかどうか結論を出すとのことです。
「接種時の痛みが心身の反応を引き起こした」との見解は、
つまりワクチン接種の注射の痛みが原因で、
日常生活に支障が出るほどの全身の痛みが生じる
ということです。
検討部会は、「全身の痛みはの原因は、
接種によって起こる神経疾患や免疫反応ではない」
としていますし、痛みはストレスや心理、
社会的要因が心身の反応となって出た可能性が高いと
指摘しています。
確かに、子宮頸がんワクチンの副作用は、
症状が出る時期も一定ではありませんし、
症状も人それぞれで多様化しています。
だからといって、注射の痛みが原因で
全身の痛みが生じるとの見解には疑問を感じます。
この見解が真実なら、子宮頸がんワクチンを受ける年代
(小学校6年生~高校1年生)の女子は、
他の予防接種でも同じような副作用が生じるはずですよね。
でも、子宮頸がんワクチンにのみ
全身の痛みなどの副作用が生じていますので
「全身の痛みの原因は心身の反応だから、
子宮頸がんワクチンは安全」とは言い切れないと思います。
子宮頸がんワクチンを受けるべきか?
厚生労働省の検討部会は、
子宮頸がんワクチンの副作用の原因を
心身の反応と結論付けましたので、
2月には推奨接種が再開される見通しとなっています。
ただ、上記でも述べていますように、
子宮頸がんワクチンの安全性には疑問が残ります。
でも、子宮頸がんワクチンが
子宮頸がん予防に有効なことは間違いありません。
欧米諸国では、子宮頸がんワクチンの接種を
推奨している国が多いですし、日本産婦人科学会は
「公費助成開始から勧奨中止までに
2万人の子宮頸がんの発症を防ぎ、
5000人以上の死亡を防ぐことになったと推計されている」
としています。
子宮頸がんワクチンを受けるべきかどうかは、
現時点では判断しなくても良いかもしれません。
もう少し様子を見て、安全性が科学的に実証されてから、
接種するかどうかを判断すると良いでしょう。
また、かかりつけ医や地域の保健所に
その安全性や接種することでのメリットと
デメリットを相談して、
その結果接種を受けるかどうか決めることをおすすめします。