「タバコを吸うと心が落ち着く」「リラックスする」というのは本当?
タバコは鎮静作用あり?
「タバコを吸うと心が落ち着く」、
「喫煙はリラックス効果がある」と喫煙者は言いますよね。
これは本当なのでしょうか?
アメリカのカリフォルニア大学の研究チームが、
非喫煙者を対象にニコチンパッチを用いて研究した結果、
ニコチンに怒りなどを鎮める
神経学的な作用があることがわかりました。
研究は、被験者が挑発された時に報復する傾向を調べたもので
ニコチンパッチからニコチンを摂取していた
被験者グループは、摂取していないグループに比べて、
挑発されても報復しない傾向が高い
という結果が出たとのことです。
ニコチンによって、
怒りに対する行動に変化が見られた人は、
脳の中でも「計画・感情刺激・方向づけ」を司る部分に
脳の代謝の変化があったそうです。
この研究によって、
「タバコを吸うと心が落ち着く」のは、
ニコチン中毒になっているためだけではなく、
ニコチン自体に鎮静効果が証明されました。
禁煙は精神安定に効果あり
タバコには鎮静効果があるという研究結果がある一方で、
禁煙が精神安定に効果がある
という調査結果も報告されています。
イギリスの研究グループは、
喫煙者の精神状態について
調査された報告書を詳しく調べて、
数値化して比較したところ、
禁煙に成功した人たちは喫煙者
(禁煙に挫折した人を含む)に比べて、
不安感や気持ちの落ち込み、ストレスが減り、
将来に対してより楽観的になったと回答した人
が多いという結果が出ました、
研究グループは、禁煙に成功した人は、
不安やストレスを感じている人が
抗うつ薬を服用したのと同じくらいの
精神的な安定を感じることができると結論付けています。
また精神疾患がある人が禁煙に成功した場合でも、
同様の効果が得られるそうです。
どっちが正しい?
「喫煙すると鎮静効果が得られる」、
「禁煙すると精神安定効果がある」、
この2つの研究結果は、
一見矛盾しているように思えますよね。
どちらが正しいのでしょうか?
これは、どちらもきちんと調査研究した結果ですので、
どちらも正しいと言えます。
では、「タバコを吸うと心が落ち着く」、
「喫煙はリラックス効果がある」というのも
正しいのでしょうか?
これは、間違った見解だと言われています。
確かに、ニコチンには
怒りの鎮静効果があるという研究結果が出ていますが、
一般的に「タバコを吸うと落ち着く」のは、
ニコチン中毒の人がニコチンを欲して
イライラしていたところに、
タバコを吸うことでニコチンを摂取したために
落ち着いたからなんです。
ニコチン依存症ですね。
また、ニコチンによる鎮静効果のメリットよりも、
喫煙することでのデメリットのほうが
間違いなく大きいですので、
やっぱり禁煙したほうが良いでしょう。