大人がかかると怖い風疹。妊婦はどのように予防をすればよいのか
流行中の風疹
現在、風疹が大流行していることを知っていますか?
今年に入ってから4月3日までの患者数は、延べ2903人にものぼり、
2月後半からは毎週300人を超えるペースで風疹患者が増加しています。
昨年1年間での風疹患者数は2353人ですから、
今年はたった4ヶ月で去年の患者数を超えてしまい、
さらに患者数は増え続けています。
4月9日には厚生労働大臣が、妊娠を希望する女性や家族は
予防接種をするように呼びかけていますし、
4月16日には神奈川県知事が非常事態宣言を行い、
今年度に限り県が予防接種の助成金を負担することを発表しています。
妊婦や大人がかかると一大事!
風疹は、子供の患者が多いですので、
「風疹は子供がかかる病気で、大人は風疹にならない」
と思っている人もいるのではないでしょうか?
風疹は、一度かかると免疫がつきますので、
基本的に二度とかかることはありません。
また予防接種も効果的で、小児期に予防接種をしている人が多いので、
確かに子供に比べて大人の患者数が少ないんです。
でも、何かの原因で風疹の免疫が落ちていたり、
予防接種をしていない人は、大人でも風疹にかかります。
特に注意が必要なのは、妊娠初期の妊婦さんです。
妊娠初期に妊婦が風疹にかかると、胎児に心奇形や難聴、
白内障などの症状が出る先天性風疹症候群を引き起こします。
妊娠10週までに風疹にかかると
90%の胎児に影響が出るというデータもあります。
また、子供が風疹になると3日~1週間程度で症状が治まりますし、
感染していても症状が現れない場合も多いのですが、
大人になってから風疹にかかると重症化しやすいという特徴があります。
風疹の症状である発疹や発熱が長引くだけでなく、
脳炎など重篤な合併症にかかることもあります。
風疹を予防するためには?
風疹の感染経路は、飛沫感染や直接接触感染です。
くしゃみや咳などの飛沫を吸い込んだり、
その飛沫を触った自分の手指から口に入る場合ですね。
インフルエンザと同じような感染経路になります。
そのため、手洗いやうがい、マスクの着用などは、
風疹の予防法としてある程度の効果があります。
でも、風疹の予防法として最も効果的なのが、
ワクチンの予防接種です。
風疹ワクチンは副反応が少なく、安全性の高い予防接種です。
子供の頃に予防接種を受けたはずと思っていても、
1979年4月2日~1987年10月1日生まれの方は注意が必要です。
この時期は、風疹の予防接種制度の転換期であったため、
予防接種を受けていない可能性があります。
自分が風疹の予防接種を受けたことがあるかどうか不安な方は、
医療機関で血液検査をすれば、
風疹の免疫を持っているかどうか調べることができます。
風疹が大流行している今、妊婦を希望されている人やそのご家族は、
風疹予防のために予防接種を受けるようにしましょう。