子どもの腹痛で考えられる可能性と小児救急電話について知りましょう。
子どもの腹痛=虫垂炎
子どもが激しく泣いていて、あやしても、
おっぱいを飲ませても全然泣き止まない時、
腹痛を疑ってみる必要があります。
子どもは、大人のように「お腹が痛い」
としっかり訴えることができませんよね。
子どもの腹痛には、
どんな病気が潜んでいる可能性があるのかを
知っておきましょう。
1つ目の可能性は、虫垂炎です。
虫垂は大腸の入り口にある盲腸から出ている細長い器官で、
そこが炎症を起こすと、
激しい腹痛を伴う虫垂炎となります。
乳児が発症することはほとんどありませんが、
5歳以上の子どもが激しい腹痛を訴える時は
虫垂炎を疑ったほうが良いでしょう。
虫垂炎の特徴は、
みぞおちのあたりから右下腹部に痛みが移動すること、
症状が進行してくると発熱や嘔吐などが現れることです。
虫垂炎は進行すると外科的手術が必要になりますし、
腹膜炎を起こして重症化することもありますので、
早めに医療機関を受診しましょう。
子どもの腹痛=感染性胃腸炎
子どもの腹痛で考えられる可能性の2つ目は、
感染性胃腸炎です。
ノロウイルスやロタウイルスですね。
ノロウイルスは11月から2月にかけて、
ロタウイルスは1月から4月にかけて流行するのが特徴で、
激しい嘔吐と下痢、腹痛が主な症状となります。
11月から4月ごろの嘔吐と下痢を伴う腹痛は、
感染性胃腸炎を疑ってみましょう。
感染性胃腸炎は、嘔吐と下痢で脱水になりやすいので、
こまめな水分補給をさせるように注意して、
水分補給ができないのであれば、
すぐに医療機関を受診してください。
子どもの腹痛=腸重積症
腸重積症も子どもの腹痛の原因の1つです。
腸重積症は、小腸の終わりの部分が
大腸に入り込んでしまう病気です。
3ヶ月から2歳ごろまでに発症しやすく、
女児よりも男児に多いことが特徴です。
腸重積の特徴は、
数分ごとに機嫌が良くなったり悪くなったりと
腹痛を繰り返すことと、
イチゴジャムのような粘血便出ることです。
腸重積は放っておくと、腸管が壊死してしまい、
命に関わることもありますので、注意が必要です。
迷った時は#8000に電話を
腹痛に限らず、子どもの具合が悪い時、
救急車を呼ぶべきかどうか、
病院に行くべきか自宅で様子を見るべきか、
迷ってしまうことがあると思います。
特に、夜間や休日はかかりつけの病院も閉まっているし、
「どうしよう・・・」と迷っていて、
子どもが一気に重症化してしまうこともありますよね。
そういう時は、小児救急電話相談に電話しましょう。
#8000へ電話すると、各都道府県の相談窓口に児童転送されて
小児科医師や看護師から
子どもの症状に応じた適切な対処の仕方や、
受診する病院などのアドバイスを受けられるんです。
厚生労働省の調査によると、
この小児救急電話相談の制度を知っている人は、
たったの10.2%しかいませんでした。
実施時間は都道府県によって異なりますが、
病院が閉まる19時から翌朝7時まで
対応してくれるところもありますので、
一度お住まいの地域の小児救急電話相談の実施時間を
確認してみてはいかがですか?