統合失調症は 8 つの病気が集まっている状態?統合失調症について知りましょう。
統合失調症ってどんな病気?
統合失調症という病名を聞くと、
どんなイメージを思い浮かべますか?
「普通の会話すらできなくなる」、
「閉鎖病棟に入れられて、一生出てくることはない」
などのマイナスイメージを思い浮かべる人が多いと思います。
確かに、一昔前は統合失調症で
精神病院の閉鎖病棟に長年入院する人もいましたし、
きちんとした治療を行わないと、
日常生活を送ることが困難になる病気です。
でも、今は新薬が開発され、
さらに心理社会的なケアが進歩していますので、
早期発見や早期治療、正しい薬物療法、
本人と家族の治療への協力、
再発予防のための治療の継続によって、
完治や長期的な回復が可能になり、
社会生活を送ることができるようになっています。
また、統合失調症は一昔前の
マイナスイメージが強く残っているため、
差別や偏見を受けやすい病気です。
でも、統合失調症は思っているよりも身近な病気なんです。
統合失調症の発症率は 1%と言われています。
つまり、100 人に 1 人は
統合失調症になるということですよね。
100 人に 1 人って、結構頻度が高く、
身近な病気だと思いませんか?
いつあなたの周りの人が、そしてあなた自身が
統合失調症になってもおかしくないんです。
身近な病気だからこそ、偏見をなくして、
正しい知識を身につける必要があるんです。
統合失調症の症状は?
統合失調症の症状は、陽性症状と陰性症状に分けられます。
陽性症状は、
自分への悪口が聞こえると感じてしまう「幻聴」や
警察が自分を尾行しているなど
間違ったものを信じ込んでしまう「妄想」などがあります。
この陽性症状の特徴として、
安心感や安全保障感がなくなってしまうことがあります。
陰性症状は、
陽性症状のようにわかりやすいものではありませんが、
陰性症状によって日常生活を送ることが困難になります。
陰性症状の代表的なものとして、
会話や行動にまとまりがなくなる、意欲がなくなる、
集中力がなくなる、感情の起伏がなくなり
喜怒哀楽がはっきりしなくなるなどがあります。
このような陽性症状、陰性症状が出ていると、
確かに社会生活を送ることが難しくなりますが、
きちんとした治療を続ければ
社会復帰することは十分に可能です。
統合失調症は複数の病気の集合体?
新薬の開発やリハビリテーションの充実など
統合失調症の治療はどんどん進歩していますが、
統合失調症の原因は
まだ明確にはわかっていないという現状があり、
遺伝的な要素が 3 分の 2、
環境的な要素が 3 分の 1 程度と言われています。
このような中で、
統合失調症の原因が解明されるかもしれない
研究結果が発表されました。
アメリカのワシントン大学医学部の研究チームは、
4200 人の統合失調症患者と
3800 人の統合失調症患者ではない被験者の
DNA を分析しました。
その結果、統合失調症は「妄想」、「幻聴」、
「まとまりのない言動」、「意欲の障害」など
それぞれ統合失調症特有の症状を持つ
8 種類の遺伝子疾患の集合体であることが
わかったそうなんです。
この結果に異論を唱えている研究者も多数いることから、
今後議論が続いていくと予想されますが、
この研究がきっかけで統合失調症の原因がわかれば、
治療法が飛躍的に進歩するきっかけになるかもしれませんね。