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マダニに咬まれると感染する日本紅斑熱について知りましょう。




マダニが原因の日本紅斑熱

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マダニに咬まれることで感染する病気というと、
一番最初に思い浮かべるのは、
「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」だと思います。

SFTSはSFTSウイルスを持つマダニに咬まれることで、
発熱や嘔吐、下痢などの症状が出て、
最終的に出血傾向や意識障害などで死亡します。

このSFTSは2011年に初めて特定されたばかりで、
致死率が6~30%と高い病気です。

でも、マダニが媒介する病気はSFTSだけではないんです。

日本紅斑熱もマダニが媒介する病気の1つで、
最近患者数が増加しているんです。

日本紅斑熱は、リケッチアという細菌の一種である
リケッチア・ジャポニカを持つマダニに咬まれることで感染します。

リケッチア・ジャポニカは日本特有の細菌で、
日本紅斑熱は1984年に初めて確認された
新興感染症の1つとなっています。

日本紅斑熱の患者数は年間10~20人程度でしたが、
2008年には100人を超え、
2014年は11月2日時点で216人と
日本紅斑熱が発見された1984年以来、初めて200人を突破しています。

日本紅斑熱の症状は?

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日本紅斑熱は、マダニに咬まれてから2~8日の潜伏期間を経て、
39~40℃の高熱や頭痛、悪寒などの症状と共に、
全身に小豆大の発疹が現れます。

発疹は通常発症から3~4日でピークを迎え、
2週間くらいで消えていきますが、
稀にあまり発疹がはっきりしないケースもあります。

そして、マダニに咬まれた刺し口は、
5ミリ~1センチ程度に赤く腫れるようになります。

この「高熱」と「発疹」、「刺し口」が日本紅斑熱の主要三徴候です。

日本紅斑熱は、SFTSとは異なり、
基本的に重症化せず適切な治療を受ければ回復する病気ですが、
治療が遅れると重症化して、
多臓器不全やDIC(播種性血管内凝固症候群)に移行して
死亡するケースもあります。

日本紅斑熱の予防法

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日本紅斑熱の患者数は年間200人程度ですので、
それほど身近な病気ではないと思うかもしれませんが、
実際の患者数はもっと多いと推測されています。

日本紅斑熱は検査できる機関が限られていますし、
元々の症例数が少ないため、
ほかの病気と診断されてしまうケースもあるんです。

日本紅斑熱はワクチンがありませんので、
予防法はとにかくマダニに咬まれないようにするしかありません。

まだには森林や草むら、野山に生息していますので、
そのような場所で活動する場合は、長袖長ズボンを着用し、
さらに袖口を絞るなど、できるだけ肌の露出を避け、
マダニが皮膚につかないようにしましょう。

もし、マダニが皮膚についているのを見つけたら、
皮膚に吸着していない時はすぐに払いのける必要がありますが、
既に皮膚に吸着している時は、
無理にはがそうとしたり潰してしまうと、
病原体のリケッチアを皮膚内に注入してしまうことになりますので、
医療機関を受診して、そこで適切に処置をしてもらってください。

マダニは冬にも活動していますので、
冬でも咬まれる可能性はあります。

冬だからといって油断せずに、
マダニの生息地で活動する時は十分に注意してください。





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2014年11月26日 | カテゴリー:予防法 健康全般

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