熱性けいれんが起こっても慌てない!正しい対処法を知りましょう。
熱性けいれんとは?
子供が風邪やインフルエンザで熱を出した時、
突然けいれんを起こすことがあります。
この発熱をきっかけとしたけいれんを
熱性けいれんと言います。
熱性けいれんは熱の上がり際に起こりやすく、
全身の筋肉が緊張して表情がこわばり、白目がちになったり、
全身がガタガタと震えて意識を失うなどの症状が現れます。
全身性のけいれんを起こすと、
てんかんではないかと心配になりますが、
熱性けいれんはてんかんと関係なく、
ほとんどが数分で治まります。
熱性けいれんは6ヶ月から6歳ごろの乳幼児に起こりやすく、
6歳を過ぎてからの熱性けいれんはほとんどありませんが、
1~3歳までは特に多いと言われています。
また男女差もなく、子供の4~8%に見られるため、
子供が熱性けいれんを起こすのは珍しいことではないんです。
熱性けいれんはなぜ起こる?
なぜ、子供は熱を出すと熱性けいれんを起こすのでしょうか?
脳にはたくさんの神経細胞がありますが、
これらの神経細胞は弱い電流を出すことで、
刺激を伝達したり、運動や記憶を司っています。
成人の場合、
神経細胞からの電流はほぼ一定で安定しています。
でも、乳幼児の脳はまだまだ未熟な状態です。
神経細胞も不安定なのです。
突然の高熱によって、神経細胞が強い電流を発生させて、
脳が異常に興奮した状態になって意識がなくなったり、
勝手に運動の指令を出して
筋肉が緊張したり震えたりするんです。
脳は成長と共に成熟していきますので、
発熱という刺激に対する抵抗力が増して、
6歳以上になると熱性けいれんを起こさないようになるんです。
熱性けいれんは個人差が大きく、
熱を出してもまったく熱性けいれんを起こさない子もいます。
また、親族に熱性けいれんを起こしたことがある人がいると、
熱性けいれんを起こしやすいことがわかっていますので、
遺伝も関係しているとされています。
熱性けいれんが起こったらどうする?
子供が熱性けいれんを起こしたら、
どう対処すれば良いのでしょう。
子供が突然けいれんを起こしたら、慌ててしまいますよね。
ただ、熱性けいれんはほとんどが数分で治まり、
後遺症も残りませんので、慌てる必要はありません。
子供が熱性けいれんを起こしたら、
苦しくないように衣服を緩めて、
嘔吐した時に窒息しないように横向きに寝かせてあげましょう。
慌ててけいれんしている子供を揺すったりすると、
逆に子供にストレスを与えることになります。
また、舌をかまないようにと
スプーンやタオルを口の中に押し込むと、
口の中を傷つけてしまう可能性がありますので止めましょう。
けいれんが治まったら、
熱を測って子供を楽な状態にしてから、
小児科を受診するようにしましょう。