母子感染って一体何?母子感染とそれを防ぐ方法を知りましょう。
キューバでHIVと梅毒の母子感染撲滅
WHO(世界保健機関)は、
6月30日にキューバがHIV(ヒト免疫不全ウイルス)と
梅毒の母子感染を撲滅した
世界初の国となったことを発表しました。
HIVはAIDS(後天性免疫不全症候群)の原因となるウイルスで、
ご存知のようにAIDSは現代医学でも
根本的な治療法は確立されておらず、
全世界で感染の拡大が懸念されています。
また、梅毒は代表的な性感染症で、
現代では早期に抗生物質を投与すれば完治しますが、
治療時期が遅れたりすると死にいたる危険がある病気です。
また、HIVと梅毒は併発することもあるとされています。
このHIVと梅毒の撲滅に成功したキューバは社会主義国家であり、
医療の無償化政策を行っていて、検査体制も充実しているため、
世界初の母子感染撲滅に成功したと考えられています。
こういうところは社会主義の強みですね。
WHOの事務局長は
「これは、HIVと性感染症との長年にわたる闘いの大きな勝利であり
AIDSのない世代の実現に向けた重要な一歩」と述べています。
母子感染とは?
母子感染とは、
お母さんが持っている感染症の病原体が
生まれてくる赤ちゃんにも感染してしまうことです。
母子感染の具体的な感染経路は、妊娠中の胎内感染、
分娩時に産道を通ることで感染する産道感染、
出生後の母乳から感染する経母乳感染の3つがあります。
母子感染で感染する感染症にはHIVや梅毒以外に、
B型肝炎、HTLV-1関連疾患、水痘、先天性風疹症候群、
サイトメガロウイルス感染症、単純ヘルペスウイルス、
トキソプラズマ症などがあります。
母子感染を防ぐためには?
母子感染を防ぐためには、どうしたら良いのでしょうか?
残念ながら、現代医学では母子感染を100%防ぐことはできません。
WHOも母子感染の撲滅は、
母子感染発生率が10万件に50件を下回れば成功としています。
母子感染は100%防ぐことができない、
でも母子感染の確率を大幅に下げることはできるんです。
母子感染の確率をできるだけ下げるためには、
妊婦健診で母子感染のリスクがある感染症に感染していないかを
きちんと検査する必要があります。
HIVと梅毒の母子感染を撲滅したキューバでも、
妊婦とそのパートナーのHIVと梅毒の検査を徹底しています。
この検査で陽性だった場合は、
早くからその感染症の治療を開始することができます。
また、産道感染は帝王切開で予防することができますし、
経母乳感染は粉ミルクを使うことで予防することができます。
でも、母体がどんな感染症にかかっているかわからなければ、
これらの治療や予防法症状が悪化して、
手遅れになることもあるでしょう。
母子感染を防ぐためにも、
妊娠したらきちんと妊婦健診を受け、
各種感染症の有無を検査するようにしましょう。