がんや生活習慣病を引き起こす腸の慢性炎症について知りましょう。
腸の慢性炎症が起こる仕組み
第二の脳とも言われる腸は消化機能だけではなく、
免疫機能や精神的な安定など様々な働きを持っています。
腸内環境を改善すれば、健康状態の改善につながりますし、
逆に腸内環境が悪化すれば体調不良になってしまいます。
全身の健康状態に深い関わりがある腸ですが、
その腸が慢性炎症を起こすと、体調不良どころではなく
深刻な病気を引き起こすこともあるんです。
まずは、腸が慢性炎症を起こす仕組みからご紹介します。
腸は、体内の毒素が集まりやすい場所です。
なぜなら、口から食べて、
消化吸収された後のものが溜まっていくからです。
また、腸内にはたくさんの腸内細菌が住み着いていて、
善玉菌・悪玉菌・日和見菌がそれぞれバランスを取りながら
腸内環境を作っています。
善玉菌が増えれば腸内環境は良くなりますが、
悪玉菌が増えれば腸内環境は悪化し、
悪玉菌から毒素が排出されるようになります。
腸内で毒素が増えれば、その毒素が腸の粘膜を刺激して、
腸が炎症を起こすようになります。
毒素による腸の炎症は、
突然体調を崩すような急性炎症を起こすわけではなく、
弱い炎症をじわじわと起こし続けるような
慢性炎症を起こします。
腸の慢性炎症は万病の元
腸が慢性炎症を起こすと、
思わぬ深刻な病気を引き起こすことがあります。
その代表例が大腸がんです。
金沢大学のがん進展制御研究所や京都大学、
フランスのキュリー大学の共同研究によると、
腸が慢性炎症を起こしていると、潰瘍性大腸炎を誘発し、
さらにその潰瘍性大腸炎が大腸がんに移行することを
明らかにしています。
また、腸の慢性炎症は肝臓や血管、
膵臓など全身の様々な臓器に飛び火して、
それぞれの臓器が慢性炎症を起こすようになります。
臓器が慢性炎症を起こせば、機能が低下して、
体調不良が起こりやすくなります。
さらに慢性炎症が進行すると、肝臓だったら脂肪肝や肝炎、
代謝異常などを引き起こしますし、血管だったら動脈硬化、
膵臓だったら膵炎や膵臓の疲労による
インスリン分泌の低下からの
糖尿病を引き起こす可能性があるんです。
腸の慢性炎症を予防するには?
腸の慢性炎症が起こると、
大腸がんやそのほか生活習慣病などの原因になりますので、
腸の慢性炎症はできる限り予防しないといけません。
腸の慢性炎症を予防するためには、
腸内環境を整える必要があります。
毒素を排出する悪玉菌を減らして、善玉菌を増やすんです。
善玉菌を増やすためには、
乳酸菌などの善玉菌を豊富に含む
発酵食品を積極的に食べましょう。
特に、ぬか漬けなどの植物性発酵食品がオススメです。
植物性発酵食品に含まれる善玉菌は、
生きて腸まで届いてくれるので、
ダイレクトに腸内環境を改善してくれるんです。
また、食物繊維は便秘を解消して
毒素や老廃物を体外へ排出させてくれますし、
善玉菌の餌になって善玉菌を腸内で増やしてくれます。
腸内環境を整えて、腸の慢性炎症を予防し、
大腸がんや生活習慣病を予防していきましょう。