薬剤耐性のカンジダ菌発生?膣カンジダの治療の注意点を知りましょう。
膣カンジダとは?
膣カンジダという病気を聞いたことがあるでしょうか?
膣カンジダとは、
膣の中に生息している常在菌の1つである
カンジダ菌が異常に増殖して起こる病気のことです。
膣カンジダを発症すると、
オリモノが白くてポロポロした物に変化したり、
外陰部や膣がかゆくなるなどの症状が現れます。
先ほども言いましたが、
膣カンジダは膣内に生息する常在菌のカンジダ菌が原因です。
カンジダ菌は真菌の一種で、膣の中に生息しています。
ただ、膣内はデーデルライン桿菌という
乳酸菌の一種が病原体が生息しにくい環境を作っているため、
普段はカンジダ菌が異常に増殖することはありません。
体調不良や疲労、ストレス、
睡眠不足などで免疫力が低下したり、
生理前や妊娠中など女性ホルモンのバランスが変化したりすると、
膣内環境が変化しますので、
カンジダ菌が増殖しやすくなるのです。
新型カンジダが発生?
カンジダ菌は真菌って言っても、常在菌の1つだから、
別に深刻になることはないのでは?
と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
アメリカではカンジダ菌が原因で死亡する例も
報告されているんです。
アメリカで死亡例が報告されたのは、新型カンジダ菌です。
新型カンジダ菌とは2009年に日本で発見されてから、
イギリスやインド、ケニア、アメリカ、韓国、コロンビア、
イスラエルなど世界各国で発見されている
カンジダ菌のことです。
新型カンジダ菌は薬剤耐性を持っていることが特徴です。
薬剤耐性を持っているために、抗真菌薬を投与しても、
カンジダ菌の増殖を抑えることができず、
体内でカンジダ菌がどんどん増殖していきます。
そうすると、全身性の感染症を引き起こして、
死に至ることもあるのです。
膣カンジダはきちんと治しましょう
膣カンジダのほとんどは、
抗真菌薬が効くタイプのものになりますので、
そこまで深刻になる必要はありません。
ただ、中途半端に治療をすると、
新型カンジダ菌を生み出す原因になります。
薬剤耐性のある新型カンジダは、
膣カンジダの治療をきちんと行わずに、
中途半端に終わらせることで発生しやすくなります。
たとえば、膣カンジダを発症すると、
抗真菌薬の外用薬や膣剤を処方されます。
それらを「かゆみがなくなったから」と
勝手に自己判断で治療を中断し、
医師の指示通りに治療を行わなかった場合、
少しだけ生き残ったカンジダ菌が進化して、
薬剤耐性を持った新型カンジダへ
変化することがあるのです。
そのため、膣カンジダの治療をする時は、
必ず医師の指示を守って治療をしなければいけません。
また、膣カンジダは蒸れると
カンジダ菌が増殖して悪化しますので、
通気性の良い下着を身につけるなど蒸れないように
注意してください。