金縛りは心霊現象ではなかった!睡眠と金縛りの気になるメカニズムとは
意識はあるのに体が動かない!
夜中にふと目が覚めると、体の上に
何か重いものが乗っかっているかのようで、
体を動かすことができないという状態に
なったことはありませんか?
所謂「金縛り」の状態ですね。
金縛りは、古来から日本だけでなく世界各国で
霊や悪魔の仕業と考えられてきましたが、
現在では科学的に金縛りのメカニズムが解明されています。
金縛りは霊の仕業ではなく、
睡眠障害によるものだったのです。
金縛りは、レム睡眠中の睡眠麻痺だった!
現在、金縛りは医学的に「睡眠麻痺」と呼ばれています。
睡眠麻痺とは、意識はあるのに、
全身の筋肉は脱力して動かせない状態のことです。
脳は覚醒していても、体は眠っているというわけです。
睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の
2種類があることはご存知だと思います。
レム睡眠とは浅い眠りのことで、
脳は活動しているのに、体は休んでいる状態のことです。
ノンレム睡眠は深い眠りで、脳も体も休んでいます。
睡眠中は、このレム睡眠とノンレム睡眠が
交互に繰り返されていますが、
金縛りである睡眠麻痺は、
浅い眠りであるレム睡眠中に起こります。
レム睡眠は浅い眠りですので、
何らかの拍子に脳が完全に覚醒してしまい、
体は睡眠中のままという場合に、
「意識はあるのに体が動かない」という金縛りの状態になるのです。
金縛りが起こりやすいケースとは?
金縛りは、睡眠の質が悪いときに起こりやすいものです。
例えば、不規則な生活を続けていたり、
海外旅行で時差ぼけがあったり、
ストレスなどによる不眠の場合ですね。
通常、レム睡眠とノンレム睡眠は約90分のサイクルで
交互に繰り返されていますが、
睡眠の質が落ちると、
この一定の規則性は崩れてしまいます。
レム睡眠の時間が長くなったり、
レム睡眠中の眠りがさらに浅くなったりします。
そのため、睡眠の質が悪いと、
金縛りに遭いやすくなるのです。
金縛りを睡眠改善のきっかけにしよう!
金縛りは、睡眠の質が悪いと起こりやすくなります。
そのため、金縛りになったら、脳や体が
睡眠のSOSのサインを出していると考えてみませんか?
金縛りをきっかけに、自分の睡眠を見直してみましょう。
睡眠不足になると、倦怠感や肌荒れ、
立ちくらみなどが起こりやすくなりますし、
眠気のために仕事の効率も悪くなります。
睡眠の質が悪いと、
健康にも生活にも悪いことばかりです。
生活スタイルを見直す、睡眠時間をできるだけ確保する、
自分に合ったストレス解消法を見つけるなど
睡眠の質の改善に取り組んでみてはいかがですか?
また、金縛りは睡眠麻痺だけではなく、
心因性のストレスでも起こることがあります。
良質な睡眠を取っているのに、
金縛りになる回数が多いという場合は、
心因性が原因の可能性があります。
その場合は、投薬などの治療が必要となりますので、
心療内科を受診して、専門医に相談してみましょう。