愛犬がマダニ媒介ウイルスに感染しているかもしれません。マダニに噛まれないための予防対策を確認しよう
ペットからもマダニ媒介ウイルスが
国内では2013年1月に初めて、マダニを介して感染する
ウイルスによる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者が
確認されて以降、2013年9月11日までに
全国で感染者は31人(死亡者数10人)に上っています。
この重症熱性血小板減少症候群は、
治療法が対症療法のみとなっていて、
ウイルス自体に効果のある薬剤などが
開発されていないため、
致死率が30%以上と高くなっている恐ろしい病気です。
今回、山口大学の調査で、ペットである飼い犬も
このウイルスに感染していることがわかりました。
山口大学の前田健教授らによると、
40都道府県の動物病院を受診した飼い犬743匹の
血液を調べたところ、宮崎県、熊本県、山口県で
5~16%の飼い犬がウイルスに感染していたそうです。
人間とは違い、犬の場合はウイルスに感染しても
発病したというケースは報告されていませんし、
犬から人間への感染例もありませんが、
犬から人間へ感染するリスクはゼロではありませんし、
犬の散歩コースなど身近な場所にもマダニが潜んでいる
という証拠にもなります。
マダニに噛まれてしまったら?
マダニに噛まれてしまった場合の対処法をご紹介します。
マダニは、草むらや森林などの屋外に生息しています。
マダニは、人間に取り付いてから、
皮膚の柔らかいところを探し、
数時間から数日と長時間かけて吸血するという
特徴があります。
吸血する前のマダニを発見したら、
すぐに払い落としましょう。
また、吸血中のところを発見したら、
無理に剥がそうとすると、
マダニの一部が体内に残ってしまったり、
マダニの体液が逆流することもありますので、
医療機関を受診して、
除去・洗浄してもらうようにしましょう。
また重症熱性血小板減少症候群の潜伏期間は、
6日~2週間とされていますので、
マダニに噛まれてから2~3週間のうちに発熱や下痢、
嘔吐などの症状が現れたら、すぐに医療機関を受診して
適切な治療を受けるようにして下さい。
マダニから身を守る方法
マダニは、主に森林や草むらなど生息していて、
春から秋にかけて活動が活発になりますので、
レジャーなどそのような場所で活動する場合は、
長袖長ズボンを着用して、首にタオルを巻いたり、
帽子をかぶる等
できるだけ肌の露出を控えるようにしましょう。
また、上記の山口大学の調査で、
犬の散歩エリア(日常生活圏内)にもマダニの生息が
確認されていますので、犬を散歩したり、
公園で遊ぶような時もマダニが生息していそうな草むらは
避けるようにしましょう。
また、草むらや森林での活動が終わったら、
できるだけ早くシャワーを浴びて、
身体にマダニが取り付いていないかを
チェックするようにすると、
吸血される前にマダニを払い落とすことができます。
現在のところ、重症熱性血小板減少症候群の患者は
西日本のみ(九州、四国、中国、近畿)で確認されていますが
東日本では感染の危険がないというわけではありません。
東日本でもマダニの生息は確認されていますので、
東日本でもマダニに噛まれないよう、
予防対策はしっかり行ってください。