ラクナ梗塞が原因のまだら認知症。その特徴と予防法を知りましょう。
認知症の種類
「認知症」に種類があるのをご存知ですか?
認知症は、アルツハイマー型認知症と
脳血管性認知症に分けることができます。
アルツハイマー型認知症が、
一般的な認知症とされているもので、
脳血管性認知症は「まだら認知症」と言われているものです。
では、アルツハイマー型認知症とまだら認知症は、
何が違うのでしょう?
アルツハイマーの場合、脳全体が萎縮しているため、
主な脳の機能全てに認知症の症状が現れます。
それに対し、まだら認知症は、
脳血管の障害(脳梗塞や脳出血)などが原因のため、
その血管周囲の脳は損傷を受け、認知症の症状が出ますが、
それ以外の脳の部分は損傷がないため、
認知症の症状が出ている部分と
健康な部分が並存している状態になります。
そのため、まだら認知症は、「記憶力は低下していても、
判断力や理解力は保たれている」状態で、
認知症の症状の度合いも日によって違い、
良い日と悪い日の差が大きいという特徴があります。
また、頭痛やめまい、手足のしびれ、歩行障害や嚥下障害、
言語障害などの身体的な症状が現れたり、
抑うつ症状や感情失禁、
夜間せん妄など精神的な症状が見られることもあります。
まだら認知症の原因は?
まだら認知症の原因は、
脳梗塞や脳出血などの脳血管障害です。
脳血管障害の中でも、まだら認知症を引き起こしやすいのは、
ラクナ梗塞です。
ラクナ梗塞とは、
脳の細い血管が詰まって起こる小さな脳梗塞(直径15mm未満)
のことで、全く自覚症状がなく、
CTやMRIなどの検査でラクナ梗塞が見つかっても、
治療の必要がない場合もあります。
ただ、どんなに小さくても脳血管が詰まって
梗塞が起きていることは事実ですので、
梗塞部位周囲の脳細胞は、損傷を受けていて、
記憶力が低下するなどまだら認知症の症状が
出てくることがあります。
まだら認知症の予防
まだら認知症を予防するためには、
ラクナ梗塞を予防する必要があります。
ラクナ梗塞の主な原因は、高血圧です。
高血圧が続くと、脳の細い血管壁に負担がかかり、
血管壁が肥大して、血管自体が細くなって
詰まりやすくなるのです。
高血圧は生活習慣病ですので、
高血圧予防のためには日常生活を見直す必要があります。
健康的な食生活を送り、適度な運動習慣を身につけ、
喫煙している人は禁煙するようにしましょう。
また、脱水で血液がドロドロになると
脳梗塞を起こしやすくなりますので、
水分は十分に取ってください。
ラクナ梗塞を起こした人は、重症な脳梗塞や
脳出血を起こすリスクが非常に高くなり、
発症率は健康な人の10倍以上というデータもあります。
まだら認知症にならないためには、ラクナ梗塞の予防を。
ラクナ梗塞にならないためには、高血圧予防を。
高血圧にならないためには、
生活習慣の見直しを行いましょう。