過去最高に流行しているRSウイルス。子供だけでなく高齢者の感染にも注意が必要です
RSウイルスが流行中
今年の冬は、RSウイルスが猛威をふるい、
大流行しそうです。
国立感染症研究所のまとめでは、
データを集計し始めた2003年以降、
RSウイルスの患者数が過去最高になっています。
国立感染研究所が全国約3000ヶ所の
小児科医からの報告を集計したところ、
11月20日前後の1週間あたりの患者数は4092人で、
過去2003年~2012年の同時期での平均の
2.6倍となっています。
地域別でみると、
大阪府、北海道、愛知県、東京都など
大都市での患者数の増加が目立っています。
RSウイルスの流行のピークは、例年12月から1月ですので
今後さらに感染者が増え、
流行が拡大する可能性があるため注意が必要です。
RSウイルス感染症とは?
RSウイルス感染症は、RSウイルスによる呼吸器の感染症で
発熱や鼻水、咳、痰など
一般的な風邪と同じような症状が現れます。
RSウイルスの感染経路は、
咳やくしゃみなどによる飛沫感染や
ドアノブやコップなどを介する接触感染で、
手についたRSウイルスは
約30分間は感染する力を持っています。
また、感染者がRSウイルスを排菌する期間は
7~21日間と長いため、
感染が拡大しやすいウイルスと言えます。
RSウイルスは、2歳までにほぼ100%の子供が
感染すると言われています。
ほとんどの場合は、重症化せず数日で治癒しますが、
低体重出生児や肺や心臓に疾患を持っていたり、
生後3ヶ月以内の乳児が感染すると、重症化しやすく、
肺炎や細気管支炎を発症したり、
場合によっては無呼吸発作や急性脳症を引き起こし、
死に至ることもあります。
高齢者の感染に注意
RSウイルスというと、
子供がかかる病気というイメージがあるかもしれません。
でも、RSウイルスに感染しても、
体内で抗体が作られるわけではありませんので、
再発を繰り返すことになり、大人も感染します。
通常、大人が感染しても、体力や抵抗力があるため、
RSウイルス感染症ではなく
軽い風邪と勘違いする程度で済んでしまうのですが、
抵抗力が落ちている高齢者は注意が必要です。
アメリカの疾病対策センターのデータによると、
アメリカのRSウイルス関連の年間死亡率は
65歳以上で10万人当たり29.6人に対し、
1歳未満の乳児は10万人当たり5.4人ですので、
65歳以上のほうが1歳未満の乳児より5倍以上も高いんです。
RSウイルスは感染が拡大しやすいため、
高齢者は介護施設などで集団感染を引き起こしやすいため、
子供だけではなく高齢者にも
徹底した予防対策が必要となります。
RSウイルスはインフルエンザのように
ワクチンや特効薬はありません。
RSウイルスの予防法は、手洗いうがいを励行することです。
また、感染者が家族内や介護施設内にいる時はマスクを着用し
手すりやドアノブ、子供のおもちゃなどは
アルコールや塩素系の消毒剤でこまめに消毒しておきましょう。