妊娠中は太りすぎもダイエットもダメ!食生活を見直して、体重管理をしましょう。
妊娠中の太りすぎは要注意
昔の妊婦さんは、「妊娠中は子供の分まで食べなさい!」
と2人分の栄養を取るために、
たくさん食べることをすすめられていましたが、
最近は妊娠中の体重増加は厳しく制限されています。
妊婦健診に行った時、一番嫌な検査は内診ではなく、
体重測定という妊婦さんはたくさんいます。
産科のドクターや助産師、
看護師に厳しく注意されるからですね。
では、妊娠中に太りすぎると
どのような影響があるのでしょう?
妊娠中の太りすぎは、
妊娠糖尿病や妊娠高血圧のリスクが高まります。
妊娠糖尿病になると、
胎児が巨大化して帝王切開の可能性が高くなりますし、
妊娠高血圧になると胎盤の機能が低下して、
胎児に必要な酸素や栄養分を送れなくなってしまいます。
また、産道に余分な脂肪がつくため、
難産になりやすいというリスクもあります。
これらのリスク以外にも、2013年8月には
「肥満妊婦の子は成人後の死亡リスクが1.4倍」
という研究が発表されていて、
太りすぎの妊婦から生まれた子供は
将来的に狭心症や心筋梗塞などの心疾患や
脳卒中のリスクが高いことがわかっています。
妊娠中のダイエットも危険
妊婦健診で、産科のドクターや助産師に
「体重増えすぎです!」と注意されて、
「ダイエットしなくちゃ!」と妊娠中にもかかわらず、
ダイエットに励む妊婦さんが増えています。
妊娠中の太りすぎは、
母体にも胎児にも悪影響がありますが、
妊娠中の過度のダイエットも胎児に悪影響を及ぼすんです。
ダイエットすることで、胎児に十分な栄養がいかなくなり、
低栄養状態となります。
イギリスの疫学者であるデビッド・バーガー氏によると、
2500g未満の低出生体重生まれた赤ちゃんは、
成人になってメタボになるリスクが高く、
心筋梗塞や糖尿病、高血圧などの生活習慣病に
かかりやすいという調査結果が出ています。
厚生労働省の調査によると、
2500g未満の低出生体重児は
1980年には10.4%だったのに対し、
2003年には18.3%にまで増えてきています。
この原因は、体重管理のために
過度なダイエットをしている妊婦さんが
増えているためと推測されています。
妊娠中はどのくらい体重が増えてよい?
臨月になると、赤ちゃんで3000g、
羊水で800~900g、胎盤で500g、
母体の血液増加分で1000~1500g分が増加します。
このほかにも子宮や乳房も大きくなりますので、
合計で7kgは必要分として増えることになります。
産院によって違いますが、
妊娠中は標準体重(BMI=18.5~25.0未満)の人は7~12kg、
やせている人(BMI=18.5未満)の人は9~12kg、
太っている人(BMI=25.0以上)の人は5kg程度が
妊娠中の体重増加の目安となります。
妊娠中の体重管理のポイントは、妊娠を希望する女性は、
妊娠前から標準体重をキープするようにしておくことと、
健康的な食生活を送ることです。
1日3食、栄養のバランスの取れた食事をしていれば、
過度に体重が増えることはあまりありません。
むしろ、カロリー制限をしながらも、
コンビニやファーストフード、
スナック菓子などのジャンクフードを食べているほうが、
体重が増えやすくなりますので、体重を気にする妊婦さんは、
もう一度食生活を見直してみてくださいね。