災害に遭ったら、どんな病気に注意すべきなのか知っておきましょう。
災害に遭ったら挫滅症候群に注意!
日本は災害が多い国です。
大地震や土砂崩れなど、
いつ何時大規模災害が我が身に降りかかるか
わかりませんよね。
「自分は大丈夫だろう」と思っていても、
どうなるかなんて誰もわからないんです。
災害に遭っても、できるだけ健康を維持できるように、
災害時に注意すべき病気について知りましょう。
まずは挫滅症候群です。
挫滅症候群という病気を聞いたことがあるでしょうか?
クラッシュ症候群とも呼ばれています。
1995年の阪神淡路大震災で、広く認識されるようになりました。
挫滅症候群とは、家具や倒壊した家屋に
体の一部が長時間挟まれることで圧迫され、
救出された後に起こる症状のことを言います。
筋肉は長時間圧迫を受けると、
その部分の血流は阻害されて壊死します。
壊死した後に、圧迫が解放されると、
壊死した部分からミオグロビンやカリウムが
大量に血液中に流れ出します。
そうすると、ミオグロビンは腎臓に負担を与えますので、
急性腎不全を起こしますし、
血液中のカリウムの濃度が急上昇すれば、
致死的な不整脈を招いて心停止を起こします。
挫滅症候群は、救出され圧迫から解放された直後は
意識がハッキリしていて、それほど重症に見えないため、
治療が後回しになり、突然心停止を起こしたり、
重度の腎不全を起こすことがありますので、
挫滅症候群の可能性があるケースは、
軽症に見えてもすぐに専門的な治療を受ける必要があります。
災害に遭ったらエコノミークラス症候群に注意
災害に遭うと避難所生活を余儀なくされることもありますし
一時的に自宅ではなく車の中で寝泊りすることもあり得ます。
そういうときに注意しなくてはいけないのが、
エコノミークラス症候群です。
避難所生活も車内も、
動けるスペースは限られていますよね。
寝返りすらできないという場合もあるでしょう。
同じ姿勢でずっと動かずにいると、下肢の静脈の血流が滞り、
血栓ができてしまいます。
血栓が下肢に留まっているうちは、
発赤や腫れ程度で済むのですが、その血栓が肺に達してしまうと
呼吸困難に陥り、命の危険がでてきます。
2014年の広島の土砂災害での避難所では、
避難生活を送っている人の4分の1に
エコノミークラス症候群の兆候があることもわかっています。
避難所生活を送る時は、可能な範囲で動くようにしましょう。
動けるスペースがなくても、
その場で足踏みなどをして下肢を動かすだけでも、
予防効果はあるんです。
災害に遭ったら精神的なストレスにも注意
災害に遭うと、その精神的なストレスは
計り知れないものになります。
その後、長期間にわたって避難所生活を送ればなおさらです。
そのため、PTSDやうつ病、パニック症候群、
不安神経症などを発症しやすくなります。
災害時の場合、精神的なストレスは自分では
軽減できるものではありません。
悪化させないためには、「ちょっとおかしいな」と感じたら
我慢せずに専門医を受診するようにしましょう。
精神的な疾患は、軽症のうちに対処することが大切です。
このように、災害に遭うと
災害自体からも身を守らなくてはいけませんが、
それ以外にも災害時に注意すべき病気があるんです。
災害自体はなかなか予防できるものではありませんが、
こういう病気にかかりやすいと
知っているのと知っていないのでは、全然違いますよね。
災害に備えて、
いろいろ役立つ知識を身につけておきましょう。