冷蔵庫内でも増殖する?エルシニア食中毒について知りましょう!
エルシニア食中毒とは?
梅雨の時期から夏までは食中毒が多くなる時期です。
食中毒を起こす菌といえば、
O-157などの腸管出血性大腸菌やサルモネラ菌、
カンピロバクターなどが有名ですが、
これらのほかにも食中毒を起こす最近はたくさんあります。
食中毒を起こす菌の1つである
エルシニア菌の食中毒について知りましょう。
エルシニア食中毒は、
エルシニア菌に汚染された食品を食べることで起こります。
エルシニア菌に汚染された食品で多いものは、
生の豚肉や十分に殺菌されていない牛乳や水などです。
エルシニア食中毒を起こすと、
1~14日間(ほとんどが4~6日間)の潜伏期間を経た後、
発熱や腹痛、下痢、嘔吐などのの症状が現れます。
場合によっては、
急性虫垂炎のような症状や発疹が出ることもあります。
また、重症化すると脳や内臓に障害が生じたり、
関節炎を併発することもあるんです。
エルシニアは低温でも繁殖
エルシニア菌は、
ほかの食中毒の菌よりも厄介な点が1つあります。
それは、低温でも増殖し続けることです。
通常の食中毒を起こす細菌は
室温(20℃前後)で活発に増殖を始めるのですが、
このエルシニア菌は5℃以下でも増殖する低温細菌なんです。
冷蔵庫内の温度は通常3~6℃ですので、
一般的な食中毒を起こす菌は食材を冷蔵庫に入れて保管すれば、
菌は増殖しません。
でも、エルシニア菌は冷蔵庫で保管しても増殖を続けますので、
豚肉や牛乳にエルシニア菌がついていれば、
冷蔵庫内でドンドン増殖し、
ほかの食品を汚染する可能性があるんです。
しっかり加熱&分けて保存!
エルシニア菌による食中毒を予防するためには、
2つのポイントがあります。
それは、しっかり加熱して食べることと
冷蔵庫内では分けて保存することです。
エルシニア菌は低温でも増殖できる細菌ですが、
加熱すれば死滅しますので、
食中毒を予防することができます。
また、冷蔵庫内では
エルシニア菌に汚染されているリスクがある肉類や
乳製品とそのほかの食品はしっかり分けて保存しましょう。
特に、生で食べる可能性がある野菜や果物は要注意です。
エルシニア菌に汚染された食品と
くっついた状態で果物が保存されていれば、
増殖したエルシニア菌が果物に移ることもあるんです。
そうすると、ほとんどの果物は生で食べますので、
エルシニア食中毒になってしまいます。
冷蔵庫で保存すれば、
菌が増えることはないから食中毒を防ぐことができる
というわけではないんです。
低温でも増殖するエルシニア菌がいることを知って、
「しっかり加熱」と「分けて保存」で
エルシニア食中毒を予防しましょう。