奥歯と動脈硬化には深い関係が?動脈硬化の意外な原因を知りましょう。
奥歯を失うと動脈硬化に?
動脈硬化の原因は、
中性脂肪や悪玉コレステロールが血管壁に付着して起こりますので、
動物性脂肪をたっぷり含む食品を多く食べたり、
運動不足になると、動脈硬化になるリスクが上昇します。
でも、動脈硬化のリスクが上がる原因は
食事や運動不足だけではなかったんです。
厚生労働省研究班の調査で奥歯がないと
動脈硬化のリスクが上がることがわかりました。
この厚生労働省研究班によると、
2010年から兵庫県の70代の男女約500人を対象に
奥歯と動脈硬化の関係を調べたところ、
上下左右の4本の奥歯がすべて揃っている265人は
動脈硬化が見つかった割合が約4割だったのに対し、
奥歯の4本がすべてない121人は
約6割の確率で動脈硬化と診断されました。
喫煙など動脈硬化に関係する要因を取り除いて比較したところ、
奥歯がない人は奥歯がある人に比べて動脈硬化のリスクが
1.87倍も高いことがわかったんです。
なぜ奥歯がないと動脈硬化になるのか
なぜ奥歯がないと動脈硬化になりやすいのでしょうか?
奥歯と動脈硬化は、一見何の関係もなさそうに見えますよね。
研究班は、奥歯がない人は
かみにくい緑黄色野菜などを食べるのを無意識のうちに避けて、
摂取量が減っているからではないかと述べています。
食事状況を尋ねた別の調査では、
奥歯がすべてない人は奥歯が揃っている人に比べて、
緑黄色野菜が15%、
魚介類が12%も摂取量が少ないことがわかっています。
緑黄色野菜にはβカロテンなどの
抗酸化物質が豊富に含まれていますし、
魚介類にはEPA、DHAという
動脈硬化を予防する脂質が含まれていますので、
これらの食品の摂取量が少ないと
動脈硬化になりやすいということです。
奥歯がないと、硬いものが食べにくくなりますので、
歯ごたえのある緑黄色野菜や
硬めの干物類を食べないようになって、
動脈硬化のリスクが上がるのかもしれませんね。
動脈硬化にならないためには
では、今回の調査結果を踏まえて、
動脈硬化の予防法を確認してみましょう。
奥歯がないと動脈硬化になるリスクが上がるということは、
高齢になっても奥歯が揃っているように、
しっかり歯磨きをするようにしましょう。
歯磨きは虫歯の予防にもなりますし、歯周病予防にもなります。
虫歯や歯周病は歯を失う原因になりますので、
しっかり歯磨きをして、
歯と口の中の健康を守るようにしましょう。
また、歯磨きをしても奥歯を失ってしまった場合は、
きちんと自分に合った入れ歯を作って、
硬いものでも無理なく食べられるようにしてください。
また、無意識のうちに緑黄色野菜や
魚類を避けているかもしれませんので、奥歯を失ったら、
意識的に動脈硬化を予防する食べ物を
食べるようにすると良いですよ!
動脈硬化になれば心筋梗塞や脳卒中のリスクが上がりますので、
歯の健康を守って動脈硬化を予防するようにしましょう。