若者に抗うつ薬は効かない?うつ病に最も良い治療法って何なの?
抗うつ薬は若者には効かない?
うつ病は心の風邪と言われています。
ストレス社会と言われる現代において、
うつ病患者は増加傾向にあり、
平成8年には43万4000人だったうつ病患者数は、
平成23年には95万8000人、
平成26年には111万6000人まで増加しています。
うつ病の治療と言えば、抗うつ薬が有効とされていて、
様々な抗うつ薬が開発・製造されていますが、
イギリスの医学誌ランセット(Lancet)に掲載された論文によると、
驚くべきことに一般的な抗うつ薬は
深刻なうつ病を患う子どもや若者には効果がないとのことなんです。
子どもや若者に限定した場合、ほとんどの抗うつ薬は
プラセボ(有効成分なしの偽薬)を服用した場合と効果は変わらず、
ベンラファキシン(商品名イフェクサー)は
自殺願望や自殺衝動のリスクが高まることが分かりました。
唯一効果が確認された抗うつ薬には
フルオキセチン(商品名プロザック)がありますが、
このフルオキセチンは日本では未承認となっています。
うつ病の最新治療は費用が高い!
子どもや若者には抗うつ薬は有効ではない
という衝撃的な論文が発表されました。
では、子どもや若者のうつ病は、
どうやって治療するのが良いのでしょうか?
うつ病の治療は抗うつ薬だけではありません。
認知行動療法などもありますが、
最新のうつ病治療と言えば、TMS治療です。
TIMS治療とは、
磁気を用いた治療で経頭蓋磁気刺激治療とも言います。
TMS治療は不安や悲しみなどの感情をつかさどる扁桃体を
磁気刺激を与えることで、扁桃体の血流を増加させ、
うつ病を治そうという治療法です。
このTMS治療のメリットは、副作用が少ないことです。
TMS治療は2008年にアメリカで承認されている治療法ですが、
日本では未承認のため、保険適用外となり、
治療費が高額になってしまうことがデメリットになります。
うつ病の最も効果的な治療は休息かも
子どもや若者には抗うつ剤は効かず、
TMS治療は保険適用外のため治療費が高額になってしまいます。
では、子どもや若者に最も効果がある治療法は何でしょうか?
うつ病の治療はどんなものが良いか、どんな治療が効果があるかは、
うつ病患者さん1人1人違いますので、
「これが絶対に良い!」というものはありませんが、
休息が最も効果があり、
誰にでも簡単にできる治療法であると言えるでしょう。
うつ病はストレスや疲労が引き金になることが多いので、
ストレスや疲労をなくして、ゆっくりと休める環境を用意して、
焦らずにゆっくり休息を取ることが、
うつ病の最も良い治療法なのです。
ただ、うつ病は回復してきても、また悪化したり、
回復がゆっくりだったりしますので、
そこで焦らないように本人も周囲も気を付けるようにしてください。