予防接種のメリット・デメリットを知り、そのうえで接種判断しましょう。
感染症予防にはワクチン接種
風疹が大流行していて、今年は過去最悪のペースで
風疹患者が増加しています。
2013年は4月末日までの4ヶ月間で、
風疹にかかった人は5000人以上にものぼっていますが、
これは昨年1年間の風疹患者数の2倍以上になっています。
妊娠初期の妊婦が風疹にかかると、赤ちゃんが白内障や
先天性心疾患、難聴などの障害が出る先天性風疹症候群に
なってしまう可能性が高いですし、
大人が風疹にかかると症状が重くなる傾向にあります。
そのため、今年に入ってから風疹のワクチン接種を受けた
という人や、今後受けようかと考えている人も
多いのではないでしょうか。
風疹の予防にはワクチン接種が最も有効ですが、
ワクチン接種による予防法は、
風疹だけでなく様々な感染症に効果があります。
毎年インフルエンザの季節になると、予防接種が推奨されますし
今年度からは子宮頸がんワクチンやヒブワクチンなどが
定期接種に加えられています。
ワクチン接種と副作用
ワクチンは、病原菌やウイルスを無毒化や弱毒化、
不活性化したもので作られていますので、ワクチンを接種すると
身体の免疫機能がワクチン成分を異物とみなして、
過剰に反応してしまうことがあります。
この反応が副作用です。
ワクチン接種による副作用には、接種部位の発赤や硬結などの
部分症状や発熱や下痢、嘔吐などの全身症状がありますが、
まれにアナフィラキシーショックを起こして、重篤化し、
後遺症が残ったり、死亡することがあります。
予防接種の補償制度とは?
どんなに安全性が高められているワクチンでも、
体内に異物を取り込みますので、
100%安全というわけにはいきません。
そのため、副作用が起こってしまった時の補償制度があります。
それが、予防接種健康被害救済制度です。
この予防接種健康被害救済制度は、予防接種により
副作用が出たとの因果関係が証明された場合に、
病院での医療費や後遺症が残ったり、
死亡した場合の一時金や年金が給付されるものです。
予防接種により、何らかの副作用が起こり、
病院を受診した場合は、各市町村の窓口で
予防接種健康被害救済制度の申請方法を尋ねてみてください。
予防接種を受けるかどうかを決めるために
予防接種は風疹だけでなく、結核、ポリオ、日本脳炎など
感染すると重篤な症状を引き起こす感染症を予防するために
必要なものです。
ただ、上記でも述べたように100%安全なものではなく、
重篤な副作用が出る場合があることも事実です。
また、予防接種健康被害救済制度は、
あくまでも副作用が出た人を金銭的に救済するもので、
副作用を予防してくれるものではありません。
日本での予防接種は、「努力義務」ですので、
予防接種を受けるか受けないかを最終的に決めるのは、
最終的に自分自身や保護者になります。
予防接種のメリットとデメリットをしっかり把握した上で、
予防接種を受けるかどうかを決めましょう。