香港でも感染者が!再び猛威をふるいだした鳥インフルエンザに注意しましょう。
香港で鳥インフルエンザ感染を確認
2013年の4月に中国で鳥インフルエンザ(H7N9型)が流行し、
猛威を振るったことを覚えていますか?
日本への上陸も危惧されましたが、
日本では感染者は確認されないまま、収束に向かったため、
安心して鳥インフルエンザのことを忘れてしまった
という人も多いのではないでしょうか?
でも、10月頃から再び中国で鳥インフルエンザ(H7N9型)
の感染者が確認されているんです。
そして、12月2日には香港で初めて
鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染者が出ました。
香港テレビRTHKの報道によると、
香港初の感染者は香港で働いている
36歳のインドネシア人女性で、
香港のすぐ隣にある中国本土の広東省深センに行った時に、
生きた鳥に接触していたことがわかっています。
この女性は、現在香港の病院に入院し、
治療を受けていますが、重体とのことです。
香港政府は、この鳥インフルエンザの感染事例を受けて、
深センの3ヶ所の養鶏場から
生きた鳥類を輸入することを一時禁止しています。
鳥インフルエンザ(H7N9型)とは
鳥インフルエンザ(H7N9型)とは、
2013年3月末に中国での感染が報告されている感染症で、
鳥から人への感染するインフルエンザです。
人から人への持続的な感染は確認されていませんが、
家族間での感染が疑われる事例は発生しています。
鳥インフルエンザ(H7N9型)は、
発熱の他に咳、息切れ、肺炎など
呼吸器系の症状が出ることが特徴です。
WHOは、中国で初めて感染者が確認されて以降、
137人の感染者が出ていて、
そのうち45人が死亡したと発表していて、
死亡率は約33%と高くなっています。
現在のところ、中国本土以外での感染は、
4月に台湾で中国本土で勤務していた男性が感染したことと
今回の香港での感染者が確認されたのみとなっています。
鳥インフルエンザ(H7N9型)のワクチン開発
現時点で、鳥インフルエンザ(H7N9型)の主な治療法は、
対症療法になっています。
日本でもよく用いられている抗インフルエンザ薬
「タミフル」も有効といわれていますが、
詳細は現在調査中とのことですし、
タミフルに耐性を持つ鳥インフルエンザ(H7N9型)の
変異株も見つかっていますので、
タミフルが特効薬とは言えない状況です。
そんな中、アメリカのバイオ製薬企業ノババックスが、
鳥インフルエンザ(H7N9型)のワクチン開発に向けた
初期臨床試験(治験)の結果、
ワクチンを接種した人の多くが鳥インフルエンザ(H7N9型)の
抗体を作り出したと発表しました。
ノババックスは、1ヶ月でワクチン製造が可能で、
4ヶ月で治験が開始できるとしています。
この初期臨床試験は、まだまだ初期段階で、
すぐに実用化には至りませんが、
将来的に鳥インフルエンザ(H7N9型)に有効なワクチンが
できる可能性が大きくなっています。
寒い時期は、インフルエンザが流行しやすいですし、
年末年始は海外への渡航者が多くなりますので、
今後鳥インフルエンザ(H7N9型)の流行が
さらに拡大するかもしれません。
ワクチンが完成するまで、私たちにできる予防策は、
感染地域への旅行は避けることと
インフルエンザの基本的な予防である
手洗い、うがい、マスクの着用を徹底することです。
今できる予防策をしっかり行っていきましょう。