致死率の高い恐ろしい病気「くも膜下出血」について知りましょう。
くも膜下出血とは?
くも膜下出血という病気は、
一度は耳にした事がありますよね。
でも、「頭の病気」、「死ぬこともある危険な病気」
という認識はあっても、
具体的にどんな病気なのか知らない人も多いと思います。
脳は頭蓋骨と硬膜、くも膜、軟膜という
3つの膜で保護されています。
くも膜下出血とは、
くも膜下腔(くも膜と軟膜の間)に出血が生じる病気です。
くも膜下出血が起こると、突然激しい頭痛が生じます。
この頭痛は、
「金属バットやハンマーで後頭部を殴られたような痛み」
と表現されるほどの強い痛みと言われています。
また、徐々に痛みが増すのではなく、
突然頭痛が生じることも特徴の1つです。
くも膜下出血は致死率が非常に高く、
発症すると約50%が死亡します。
また、発症後完治して、
社会復帰できる人はわずか20%で、
残りの30%は重い後遺症が残ってしまいます。
くも膜下出血の原因とリスク要因
くも膜下出血の最大の原因は、脳動脈瘤破裂です。
脳を通る動脈にコブができ、それが破裂することで、
くも膜下に出血が起こってしまうのです。
脳動脈瘤ができる原因は、先天的要素や遺伝的要素が
関係していると考えられていますが、
詳細は明らかになっていません。
脳動脈瘤破裂のほかに、
脳動静脈奇形の破裂や外傷による出血等でも
くも膜下出血を起こします。
くも膜下出血というと、
中年以降に起こる病気と思っていませんか?
確かに、くも膜下出血の好発年齢は男性で40~50代、
女性は60代以降となっています。
ただ、中年以降に発症する場合の原因は脳動脈瘤破裂であり
脳動静脈奇形の破裂が原因だと20~30代で発症しやすく、
場合によっては10代でも発症することがあります。
脳動静脈奇形は先天的なものですので、
現状では有効な予防法がないのですが、
脳動脈瘤破裂の場合は、高血圧や喫煙、家族歴、
ストレスなどがリスク要因として挙げられています。
くも膜下出血の前兆
くも膜下出血は、突然の激しい頭痛が特徴ですが、
激しい頭痛が起こる前に前兆症状が現れることがあります。
くも膜下出血の前兆症状は、血圧の乱高下です。
発症の2~3日前から血圧が急上昇、
急降下を繰り返すようになります。
高血圧を指摘されている人は、
普段から1日1回は血圧を測定するように習慣付けておくと
血圧管理もできますし、
血圧の乱高下もすぐに気づくことができます。
このほか、軽い頭痛が出たり、めまいや嘔吐、嘔気、
目の異常(目の奥の痛みや二重に見える等)が
出ることもあります。
このような前兆症状が出た場合は、放っておかずに、
早めに医療機関を受診しましょう。
特に、高血圧や喫煙、
家族歴などのリスク要因を持っている人は注意が必要です。