怠けているわけじゃない!誤解を受けやすい起立性調節障害について知りましょう。
誤解されやすい起立性調節障害
「朝起きられない」、
「午前中は調子が悪い」という中学生を見ると
「怠けているだけ」、「夜更かししているから」
と思いませんか?
でも、このような症状は、単なる「怠け」ではなく
起立性調節障害という病気かもしれません。
起立性調節障害は、
小学校高学年から中学生の思春期に発症しやすく、
特に女子に多いと言われています。
起立性調節障害の主な症状は、めまいや立ちくらみですが、
そのほかに動悸や息切れ、
倦怠感、食欲不振、睡眠障害、腹痛などがあり、
精神的な症状に過換気症候群や不安障害などがあります。
どのような症状が出るかは、
人によって千差万別になっています。
起立性調節障害の特徴として、
「朝起きられず、午前中調子が悪い」、
「午後から夜になると、元気になる」というものがあります。
このような特徴と上記の症状があるため、
「怠けているだけ」と誤解を受けやすい病気です。
怠けているわけではなく病気が原因で朝起きられないのに、
親から強く怒られることで家族関係が悪化したり、
周囲の理解が得られず
不登校や引きこもりになってしまうこともあります。
起立性調節障害の原因
起立性調節障害の原因は、
自律神経のバランスの乱れであることがわかっています。
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。
通常は、交感神経と副交感神経のバランスが保たれることで、
身体の様々な機能が正常に働いています。
また、日中は交感神経が優位になって活動的になり、
夜は副交感神経が優位になって休息をとります。
でも起立性調節障害は、
交感神経と副交感神経のバランスが乱れてしまうのです。
交感神経と副交感神経のバランスが乱れることにより、
立ち上がったときに血圧調節がうまくできず、
めまいや立ちくらみが起こりやすくなりますし、
朝になっても副交感神経が優位なままで、
午後から夜にかけて交感神経が優位になると、
「朝起きられない」という症状が出ます。
思春期は身体が急激に成長する時期なので、
自律神経のバランスが乱れやすく、
起立性調節障害が起こると考えられています。
起立性調節障害の対策
起立性調節障害の対策として、
できるだけ規則正しい生活を心がけること、
毎日運動をすることで身体の調子を整えること
などがあります。
また、めまいや立ちくらみ対策として、
起き上がる時や立ち上がる時はゆっくり慎重に行うこと、
塩分や水分をいつもより多めに取って
血圧低下を予防することなどが有効です。
このような対策をしても、症状の改善が見られない時は、
専門医を受診して、薬物療法や心理療法を行いましょう。
そして何より、周囲の理解が大切です。
「怠けているだけ」と誤解して子供をむやみに叱るのではなく
病気の症状かもしれないと認識して、
子供と一緒に起立性調節障害の対策を
実行するようにしましょう。