花粉の時期が過ぎても目がかゆい!それは春季カタルかもしれません。
花粉の時期が過ぎても目がかゆい?
スギとヒノキの花粉飛散のピークも過ぎ、
環境省は5月上旬までにスギとヒノキの花粉飛散は
終息するとの見通しを発表しました。
スギ花粉は、九州から北陸が4月中、
関東甲信や東北が5月上旬まで続くと予想されていて、
ヒノキ花粉は九州から近畿が4月中に、
東海から東北は5月上旬で飛散が終息すると
予想されています。
花粉症で目のかゆみに悩んでいる人も多いと思いますが、
花粉の飛散時期を過ぎても目のかゆみや異物感、
まぶたの腫れなどの症状がある場合は、
花粉症が原因ではなく、「春季カタル」かもしれません。
春季カタルとは?
春季カタルとは、
重症のアレルギー性結膜炎のことで、上まぶたの裏に
ブツブツ(乳頭)ができるタイプのもの(眼瞼型)と
角膜の周囲の結膜が赤く盛り上がるタイプ(眼球型)、
両方の症状が出る混合型の3タイプがあります。
春季カタルの原因は、
アレルギー性結膜炎の一種であることからもわかるように、
ダニやホコリ、動物の毛、ハウスダスト、
コンタクトレンズなどによるアレルギー反応です。
もちろん、花粉が原因で春季カタルになることもあります。
春季カタルは、春から夏にかけて症状が悪化することから
この名前がつけられていますが、春から夏に悪化するのは、
アレルゲンであるダニや花粉が増えるからだと
考えられています。
春季カタルは青年期に多く発症しますが、
発症する人のほとんどが気管支喘息や
アトピー性皮膚炎など何らかのアレルギーを持っています。
春季カタルの治療
春季カタルは、目のかゆみや結膜の充血、異物感、
瞼の腫れ、浮腫、眼脂(目やに)などの症状が現れますが、
重症化すると眼を開けられないほどの痛みが出たり、
角膜が混濁して視力障害が出ることもあります。
角膜が混濁して視力障害が生じてしまうと、
視力の回復が困難になりますので、
春季カタルのような症状が出たら、
症状が進行する前に眼科を受診し、
治療を開始しなくてはいけません。
治療の基本は、点眼薬の使用です。
抗アレルギー薬の点眼薬に加えて、
アレルギー反応を抑えるための免疫抑制剤の点眼薬、
角膜保護の点眼薬を用います。
このほか、重症になるとステロイドの点眼薬を使ったり、
ステロイド剤を直接上まぶたに注射することもありますが、
軽症の場合は通常4~5日で改善します。
ただ、春季カタルはアレルギー反応によるものですので、
一度症状が軽快しても、再び悪化することもあり、
長期に渡って治療を続けていく必要があります。
また、アレルゲンを特定し、
日常生活からアレルゲンを除去することで
症状が軽快することもあります。
とにかく、
花粉症による眼のかゆみとはちょっと違うと感じたら、
それは春季カタルによるものかもしれません。
思い当たる症状があったら、
すぐに眼科を受診するようにしましょう。