虫歯の原因となるミュータンス菌はとても恐ろしい細菌だった!
ミュータンス菌の影響=虫歯
ミュータンス菌は、虫歯の原因菌です。
口腔内にはさまざまな細菌が生息していますが、
その中でもミュータンス菌が増殖すると、
虫歯になってしまうのです。
ミュータンス菌は口腔内でグルカンという作り出し、
そのグルカンの中でどんどん増殖していきます。
そして、増殖したミュータンス菌は酸を作り出し、
歯を溶かし始め、歯に穴を開けていきます。
それがさらに進行すると、エナメル質の部分から象牙質の部分へ、
さらに神経にまでたどりつき、痛みが強くなって、
最悪の場合は歯を抜かなくてはいけないのです。
虫歯は怖いものですが、
ミュータンス菌の怖さは虫歯だけではないのです。
ミュータンス菌の影響=心不全
ミュータンス菌の影響は、歯だけではありません。
なんと、心臓にも悪影響を及ぼすんです。
虫歯が進行し、歯の穴が神経にまで達するようになると、
ミュータンス菌は血流に乗って、全身に広がります。
そして、心臓にたどり着くことになりますよね。
心臓にたどり着いたミュータンス菌は、
心臓で少しずつ炎症を起こし始めます。
心臓の内側で炎症が起こるとどうなるでしょう?
心内膜炎という病気を引き起こすんです。
心内膜炎は初期のうちはほとんど症状がありませんが、
放っておくと、心臓機能を破壊し始め、心臓の動きが悪くなり、
きちんと必要な分だけの血液を送り出すことができなくなりますので、
息切れや呼吸困難、むくみなどの心不全の症状が表れてくるんです。
また、感染巣が血流に乗って塞栓症を引き起こすこともありますので、
ミュータンス菌をたかが虫歯の原因菌と侮るのは危険なのです。
ミュータンス菌の影響=脳出血
ミュータンス菌の虫歯以外の影響は、心不全だけではありません。
ミュータンス菌は脳出血を引き起こすこともあります。
脳出血は脳内の血管が破れて、脳内に出血が起こる疾患ですが、
脳出血を起こすと死に至ったり、後遺症が残ることがあります。
なぜ、ミュータンス菌は脳出血を引き起こすのでしょうか?
国立循環器病研究センターの研究によると、
脳出血を起こした患者の口腔内からは、
止血を阻害する特定の遺伝子を持ったミュータンス菌が
発見されているとのことなんです。
ミュータンス菌が
直接脳出血を引き起こしているわけではないようですが、
止血を阻害する特定のミュータンス菌が口腔内にいると、
出血しやすいことになりますので、
間接的に脳出血の原因となっているんですね。
たかが虫歯の原因とも言えますが、
心不全や脳出血の原因にもなるミュータンス菌は、
とても恐ろしい細菌です。
日ごろから歯磨きをしっかりして、口腔内を清潔にし、
ミュータンス菌を予防するようにしましょう。