全身の激痛に襲われる線維筋痛症とはどんな病気?周囲の理解・支援も大切です
線維筋痛症とはどんな病気?
線維筋痛症という病気を聞いたことがあるでしょうか?
線維筋痛症は全身に激しい痛みを生じる
とても怖い病気です。
この線維筋痛症は女性に多い病気で、
男女比は1:5となっています。
この男女比は日本での統計であり、
欧米ではさらに女性の割合が多いのです。
また、40~50歳の中高年の年代で
発症することが多くなっています。
アメリカでの線維筋痛症の有病率は2%と
決して珍しい病気とは言えませんが、
この線維筋痛症はまだまだ認知されていない病気で、
診断がとても難しいのです。
なぜなら、全身に激しい痛みを生じる
という症状があるのにも関わらず、
血液検査をしても何ら異常は見つからず、
さらにCTやMRIでも異常が見当たらないからです。
そのため、現段階ではアメリカリウマチ学会の診断基準である
「全身に18ヶ所の圧痛点があり、4kgの力で押し11ヶ所以上痛く
広範囲の痛みが3ヶ月以上続いている」
という条件を満たした場合、
線維筋痛症と診断しています。
線維筋痛症の症状は?
線維筋痛症は、どのような症状が起こるのでしょうか?
線維筋痛症の主な症状は、
全身性の痛み、もしくは部分的な痛みです。
線維筋痛症の痛みは、慢性的であることが特徴で、
日によって痛みに差があったり、
朝は痛みが強く夜になると少し緩和されるなど
日内変動があることもあります。
また、ストレスや気候、過労などで痛みが悪化したりもします。
そして、線維筋痛症の痛みは非常に激しく、
「身体の中で火薬が爆発するような痛み」とか
「錐で刺されたような痛み」と表現されることもあるほどです。
さらに、線維筋痛症の症状は痛みだけではありません。
線維筋痛症は全身倦怠感、疲労感、過敏性腸症候群や口内炎、
胃腸症、膀胱炎、ドライアイ、ドライマウス、手足のしびれ、
睡眠障害など自律神経が関わるような
病気・症状を伴うことが多いのです。
線維筋痛症の治療法
線維筋痛症の原因はまだ解明されていませんので、
線維筋痛症を根本的に治癒させるための治療法はありません。
そのため、線維筋痛症の治療は対症療法になります。
抗うつ剤や抗炎症薬などを用いて痛みを軽減したり、
電気治療や温熱療法などの理学療法で身体のこわばりをとったり、
認知行動療法で精神的な不安を軽減したりなどですね。
また、生活習慣を見直して、
質の高い睡眠をとれるように睡眠環境を調整したり、
適度な有酸素運動を行うことも大切です。
そして、家族や周囲の人が線維筋痛症という病気を理解して、
支援してあげることも有効な治療法です。
線維筋痛症は周囲の人になかなか理解されずに、
ただのサボり、怠けと受け取られることも多く、
自分の病気を理解してもらえないというストレスで、
症状がさらに悪化することもあります。
線維筋痛症になったら、できるだけストレスを溜めず、
さらに周囲は病気についてしっかり
理解してあげるようにしましょうね。