妊娠中に便秘になるのはなぜ?妊娠中の便秘対策を知りましょう!
妊娠中の便秘は怖い
妊娠中は妊娠前に比べて、便秘になりやすくなります。
もともと便秘気味の女性は、
しつこい便秘に悩まされることになりますし、
妊娠前は便秘ではなかったという人も、
妊娠を機に便秘になってしまうことがあるんです。
「たかが便秘でしょ?」と油断していると、
とんでもない事態を招く可能性があります。
とんでもない事態とは、
母体の死亡と赤ちゃんの後遺症です。
イギリスで妊娠中の女性が便秘が原因で出産時に死亡し、
生まれた赤ちゃんは脳に深刻なダメージを引き起こした
というニュースがあります。
この女性は妊娠初期の大腸内視鏡検査で
腸が詰まっているのを確認したにもかかわらず、
その後、病院は適切な処置をせずに、
臨月まで過ごしました。
そして、陣痛が来た時に、腸が便でパンパンに膨れ上がり、
子宮口を圧迫して、子宮口がきちんと開かなかったために、
赤ちゃんが子宮口を通り抜けられずに、
赤ちゃんは低酸素状態になってしまいました。
そこで、緊急帝王切開に切り替えたのですが、
母体から2リットル以上の大量出血が起こり、
母親の女性は死亡、赤ちゃんは低酸素状態から
脳に深刻なダメージを負ったそうです。
妊娠中の女性は、
便秘を放っておいては絶対にいけないのです。
妊娠中に便秘になりやすい理由
妊娠中に便秘になりやすいのはなぜなのでしょうか?
その理由は2つあります。
1つ目は、女性ホルモンの影響です。
妊娠すると、妊娠を維持するために、
プロゲステロンという女性ホルモンの分泌が多くなります。
このプロゲステロンは
腸の蠕動運動を抑制する作用があるために、
便秘になってしまうのです。
生理前に便秘になるとい女性は多いですよね。
生理前にもプロゲステロンの分泌が増加するために、
便秘になります。
妊娠中の便秘も同じメカニズムです。
ただ、妊娠中はプロゲステロンの分泌量が増えますので、
生理前よりもさらにひどい便秘になるのです。
そして、妊娠すると、胎児の成長と共に、
子宮がどんどん大きくなります。
そうすると、直腸や大腸を子宮が圧迫するのです。
直腸や大腸が圧迫されれば、
蠕動運動が制限されますので、
便秘になってしまいます。
妊娠中の便秘対策は?
妊娠中に便秘にならないためには、
どうすれば良いのでしょうか?
まずは食生活に気をつけましょう。
つわりがひどい時期は仕方がないですが、
つわりが治まったら、食物繊維をたっぷり摂って、
悪玉菌を作るような肉類や動物性脂質は
控えめにした方が良いでしょう。
また、水分もしっかり飲んでください。
妊娠中はむくむからといって、水を控えめにすると、
便秘を悪化させますし、何より脱水になってしまいますから、
水はしっかりと飲まないといけません。
そして、切迫流産や切迫早産と診断されていないなら、
適度な運動をしましょう。
適度な運動は腸を刺激しますので、
蠕動運動を活性化させることができます。
さらにもう1つ重要なことは、便意を我慢しないことです。
妊娠中の女性の中には、
「いきんで赤ちゃんに悪影響が出たら困るから」という理由で、
排便を我慢する人がいます。
便意があるのに排便を我慢してしまうと、
便秘になってしまうんです。
妊娠中にいきんだとしても、
赤ちゃんが出てくる心配はありませんし、
赤ちゃんに悪影響が出ることもありません。
むしろ、我慢して便秘になったほうが悪影響が出ますので
しっかり排便習慣をつけておきましょう。